2025年におすすめのDMARCアナライザー6製品を比較する記事のメインビジュアル

2025年版 おすすめDMARCアナライザー6選

2025年2月22日
著者: Milena Baghdasaryan
翻訳: 古川 綾乃

この記事はPowerDMARCのブログ記事 Top 6 DMARC Analyzers in 2025 の翻訳です。
Spelldataは、PowerDMARCの日本代理店です。
この記事は、PowerDMARCの許可を得て、翻訳しています。


DMARCアナライザーは、DMARCの集約XMLレポートを人が読みやすい形式に変換します。
これにより、事業者はDMARCレポートを簡単に理解し、レポートに基づいた適切な判断を行えるようになり、メールの到達率向上につながり、なりすましのリスクも下げられます。
また、DMARCレポートの監視・解釈を自動化し、作業を大幅に簡素化できます。

メール認証に関する運用コストを抑えつつ、改善のスピードも上げられます。
2025年現在、DMARCアナライザーは多数提供されており、自分のニーズに最適なものを選ぶのは難しいかもしれません。
本記事では、各ツールの主な機能・利点・欠点と、理想的な利用ケースを紹介します。

主なポイント

  1. DMARCアナライザーは、ドメイン所有者がXMLファイルを解析し、人間が読める形式に変換することを可能にします。
  2. 市場で代表的なツールは、PowerDMARC、dmarcianによるDMARC Analyzer、Valimail Monitor、Red SiftのOnDMARC、Postmark DMARC Tool、DMARCLYなどがあります。
  3. DMARCアナライザーを選定する際は、使いやすさ、レポート機能、SPF/DKIM/BIMIとの連携、価格、拡張性を確認しましょう。
  4. 市場競争が激しい中でも、PowerDMARCのDMARCアナライザーはそのスケーラビリティ、シンプルさ、価格の手頃さにより、世界中の企業にとって有力な選択肢の一つです。

主要なDMARCアナライザー

PowerDMARC

PowerDMARCは、フィッシング、スパム、およびなりすまし攻撃から組織を保護することを目的としたDMARC分析を統合的に行えるプラットフォームです。
リアルタイムの攻撃アラート、脅威インテリジェンス分析、SPF、DKIM、MTA-STS、TLS-RPT、BIMI実装に関するマネージドサービスなど、数多くの高度な機能を提供しています。
PowerDMARCは、DMARCレポートを簡単に分析できるユーザーフレンドリーなダッシュボードを備え、複数の言語にも対応しているため、あらゆる規模の企業に適しています。

利点

詳細な分析と高度な脅威インテリジェンス
PowerDMARCはAI駆動の脅威インテリジェンスを提供し、攻撃が受信者に届く前に検知・ブロックしやすくなります。
導入がスムーズ
PowerDMARCは、セットアップ、構成、DMARCレコードの管理が簡単なユーザーインターフェースを提供しています。
その直感的なダッシュボードにより、DMARCレポートの分析とポリシーの適用が容易になります。
スケーラブルかつ柔軟な価格モデル
PowerDMARCは、企業規模を問わず利用しやすい料金体系を採用しています。
ホワイトラベル(独自ブランド表示)に対応しており、MSPおよびMSSP向けに、プラットフォーム全体およびDMARCレポートのホワイトラベリング(カスタムブランド化)が可能です。

欠点

学習コスト
高度な機能が多いため、慣れるまで時間がかかる場合があります。

理想的な利用ケース

PowerDMARCは、小規模・中規模企業から大企業まで、あらゆる規模の組織に適したDMARCアナライザーです。
また、MSP(マネージドサービスプロバイダー)向けに強力なAPIやホワイトラベリング機能を提供しているため、セキュリティサービスを顧客に提供する事業者にとっても理想的なソリューションといえます。

DMARC Analyzer by dmarcian

dmarcianは、広く利用されているDMARCソリューションの一つで、特に充実したレポート機能と効果的なDMARCポリシー管理で高く評価されています。
このDMARCアナライザーは、メールトラフィックや認証上の問題について詳細な可視化と洞察を提供し、DMARC運用の全体像を把握しやすくします。
操作性に優れたインターフェースを備えているほか、DMARC導入を支援するための豊富な学習リソースも用意されています。

利点

初心者に優しいインターフェース
技術的な知識が十分でないユーザーでも、DMARCの設定や運用をスムーズに行えるよう設計されています。
技術サポートの充実
チャットサポートを提供しており、疑問点を気軽に質問でき、迅速な回答を得ることが可能です。
教育用リソースが豊富
ステップバイステップのガイドや各種資料が用意されており、DMARCを正しく、かつ効果的に導入するための学習を支援します。

欠点

機能が限定的
高度な脅威インテリジェンスや、自動化された高度分析機能には対応していません。
ホスト型MTA-STS非対応
ホスト型のMTA-STSおよびTLS-RPTサービスが提供されていません
SPF最適化ツールがない
SPF最適化機能がないため、DNSルックアップ数の制限に対応する運用が難しくなる場合があります。

理想的な利用ケース

dmarcianのDMARC Analyzerは、中小企業や、これからDMARCの導入・運用を始める企業に特に適しています。

Valimail Monitor

Valimailは、DMARCレポート分析に高度な自動化を取り入れたツールで、DMARCのモニタリングからポリシー適用、メール詐欺対策までを包括的に提供します。
DMARCの運用状況をリアルタイムで可視化できるほか、SPFおよびDKIMレコードの実装を自動化することで、運用負荷を大幅に軽減します。
さらに、BIMIのサポートやコンプライアンス重視の機能も備えており、企業が業界標準や各種規制に準拠しやすくなるよう支援します。

利点

高度な自動化機能
DMARCの導入から運用管理までを簡素化・自動化できます。
リアルタイムアラート
DMARC認証の失敗を検知すると、即座に通知を受け取ることが可能です。
特許取得済み技術
DMARCおよびSPFの最適化と管理に関する独自の自動化技術を提供しています。

欠点

小規模企業には高コスト
小規模な組織にとっては、価格が割高に感じられる場合があります。
MTA-STS管理の制限
ホスト型MTA-STSサービスが提供されておらず、脅威インテリジェンス機能も限定的です。

理想的な利用ケース

Valimailは、複雑なメールインフラを運用する中規模から大規模企業に適しています。

OnDMARC by Red Sift

OnDMARCは、ドメイン所有者がDMARCの設定や管理を簡単に行えるよう設計された、ユーザーフレンドリーなDMARCアナライザーです。
DMARC、DKIM、SPF、BIMI、MTA-STSといった各種DNSレコードを一元管理できる点が特徴です。
また、DMARCポリシーを迅速に展開できるほか、DNSルックアップ制限を回避するための動的SPF管理機能も備えています。

利点

送信者インテリジェンス
複雑なフォレンジックレポートを、分かりやすく実用的なインサイトへ変換します。
迅速な導入
メールの到達率を損なうことなく、短期間で保護を開始できます。
ブランド認知度の向上
BIMIの導入支援により、ブランドの視認性や信頼性向上に寄与します。

欠点

高度な分析機能の不足
他の同種ツールと比較すると、分析機能が限定的と感じられる場合があります。
スケーラビリティの制約
利用規模の拡大に伴い、拡張性に限界を感じる企業もあります。

理想的な利用ケース

OnDMARCは、シンプルで迅速、かつ直感的に利用できるDMARCソリューションを求める中小企業に最適です。

Postmark DMARC Tool

Postmarkは、専門的で複雑なDMARCレポートを、実務に活かしやすい分かりやすいデータへ変換するDMARCモニタリングサービスを提供しています。 なお、このツールはPostmarkのメールAPIやSMTP送信サービスとは独立したサービスです。

利点

週次レポートの提供
DMARCの整合性や統計情報をまとめた週次メールレポートにより、常に最新状況を把握できます。
Postmarkとの高い親和性
Postmarkのメールサービスとスムーズに統合でき、シンプルで直感的な操作が可能です。
Postmarkユーザーは無料
既存のPostmarkユーザーであれば、追加費用なしで利用できます。

欠点

高度な機能が限定的
基本的な機能に特化しており、高度な分析や自動化機能はほとんどありません。
利用対象が限定される
Postmarkユーザーのみが利用可能です。

理想的な利用ケース

すでにPostmarkをメール送信基盤として利用している組織に適しています。

DMARCLY

DMARCLYは初心者にも扱いやすいDMARCアナライザーで、SPF、DKIM、DMARCに関する包括的な機能を提供しています。
TLSレポートやDMARC RUAレポートの解析、MTA-STSの導入支援、DNSレコード生成用の無料ツールなど、多彩な機能が用意されています。
また、SPFレコードのDNSルックアップ数を削減するためのSPFフラッテン機能も備えています。

利点

自動セットアップ
DMARCの設定からモニタリングまでを自動化できます。
BIMIおよびMTA-STS対応
BIMIやMTA-STSの導入もサポートしています。
手頃な価格設定
他社ツールと比較して、比較的低コストで利用できます。

欠点

ユーザー管理機能の制限
アクセス権限などのユーザー管理機能が十分とはいえません。
SPFフラッテン機能の限界
複雑なメールインフラでは効果が限定的な場合があり、Macrosなどの最新のSPF最適化技術と比べると、機能面で制約がある場合があります。

理想的な利用ケース

DMARCLYはコストを抑えてDMARC運用を始めたい中小企業に適した選択肢です。

最適なDMARCアナライザーの選び方

多くの選択肢が存在する中で、自社に最適なDMARCアナライザーを選定するには、いくつかの重要なポイントを考慮する必要があります。

使いやすさとレポート機能
直感的に操作でき、操作やナビゲーションがしやすいインターフェースを備えていることは重要な要素です。
あわせて、分かりやすいレポート表示や、運用中に十分なサポートが受けられるかどうかも確認しましょう。
追加のセキュリティプロトコルへの対応
SPF、DKIM、MTA-STS、TLS-RPT、BIMIといった他のメールセキュリティプロトコルの実装・管理に対応しているツールは、総合的なメールセキュリティ強化の観点から大きな利点となります。
価格とスケーラビリティ
現在の予算に見合っているかだけでなく、将来的な事業拡大にも対応できるかを考慮することが重要です。
ビジネスの成長に合わせて、機能や処理能力を柔軟に拡張できるかどうかも確認しましょう。
無料ソリューションと有料ソリューションの違い
基本的な要件であれば無料ツールで十分な場合もありますが、有料ソリューションでは、より高度な分析機能や充実したサポートが提供されることが一般的です。
コストを最優先するのか、それとも高度なセキュリティ対策を重視するのか、自社の優先順位を明確にしたうえで選択することが重要です。

なぜPowerDMARCが最も優れたDMARCアナライザーなのか

PowerDMARCが数多くの競合製品の中で際立ち、世界中のドメイン所有者から高い評価を受けている理由には、以下のような特長があります。

グローバル対応
11言語に対応しており、特定の地域に限らず、世界中の企業に利用されています。
高度な分析と脅威インテリジェンス
高度な脅威インテリジェンス技術を統合し、ドメインのセキュリティ状況をリアルタイムで把握できます。
ユーザーフレンドリーなダッシュボード
多機能でありながら初心者にも扱いやすい設計で、分かりやすいDMARCレポートを提供します。
また、既存のメールセキュリティシステムと迅速かつスムーズに連携できる詳細なAPIも備えています。
高いスケーラビリティ
小規模企業から大企業まで対応可能で、ビジネス規模や成長フェーズを問わず、長期的に活用できるソリューションです。

まとめ

DMARCアナライザーは、企業がメールセキュリティを強化するうえで、今や欠かせない存在となっています。
2025年の市場には、それぞれ異なる強みと弱みを持つDMARCアナライザーが数多く存在しており、自社に最適な製品を選ぶのは容易ではありません。
本記事が、最適なDMARCアナライザーを選定するための判断材料としてお役立ていただければ幸いです。

ただし、DMARCアナライザー単体で、年々巧妙化するすべてのオンライン脅威に対応することは困難です。
DMARCを他のセキュリティ対策と組み合わせることで、ブランドやアイデンティティをより包括的に保護することが重要です。