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メールセキュリティの究極ガイド:タイプ、プロトコル、およびベストプラクティス

メールセキュリティの究極ガイド:タイプ、プロトコル、およびベストプラクティス

2024年1月13日
著者: Ahona Rudra
翻訳: 高峯 涼夏

この記事はPowerDMARCのブログ記事 The Ultimate Guide to Email Security: Types, Protocols, and Best Practices の翻訳です。
Spelldataは、PowerDMARCの日本代理店です。
この記事は、PowerDMARCの許可を得て、翻訳しています。


メールは、企業、顧客、利害関係者間の円滑な情報交換を維持するコミュニケーション手段です。
しかし、メールのセキュリティが考慮されなければ、悪意のある目的のために容易に悪用される可能性があります。

メールセキュリティとは、不正アクセスやデータ侵害、悪意ある行為からメールの通信を保護するために実施される対策や施策を指します。
これには、メールメッセージの機密性、完全性、および信頼性を確保することを目的としたさまざまな技術やテクニックが含まれます。
メールセキュリティには、リスクを軽減し、メールで送信される機密情報を保護するための複数の保護レイヤが含まれます。

目次

  1. メールセキュリティとは何か?
  2. メールセキュリティの3つのタイプとは?
  3. メールセキュリティの仕組み
  4. なぜメールセキュリティが重要なのか?
  5. メールセキュリティプロトコル
  6. メールセキュリティのベストプラクティス
  7. メールセキュリティの例
  8. DMARC、SPFおよびDKIMによるメールセキュリティの強化
  9. メールセキュリティサービスを利用するメリット
  10. PowerDMARCによるメールセキュリティ

メールセキュリティとは何か?

メールセキュリティとは、メールを通じて送信される私的な情報や個人情報、また企業やビジネスに関連する情報の伝送および保存における通信の保護プロセスです。
これには、コンテンツフィルタリング、ウイルス対策ソフトウェア、暗号化アルゴリズム、メール認証が含まれており、データのプライバシーを確保しつつ、損失や不正アクセスを防ぎます。
メールセキュリティのベストプラクティスとは、通信を保護するのに役立つ一連の推奨戦略であり、その内容が侵害されたり改竄されたりすることがないようにするものです。

メールセキュリティの3つのタイプとは?

メールセキュリティとは何かを理解した後に考えるべき、3つの主要なカテゴリがあります。
digital(デジタル・拡張可能)、physical(物理的・変更可能)、procedural(手続き的)です。

digital
これは、メールを暗号化して送信し、権限のない第三者に読み取られないようにするものです。
physical
このタイプのセキュリティは、メールのメッセージや添付ファイルなど、特定のデータ部分をロックする必要がある場合に使用します。
ここでの目的は、保存されたファイルの内容を誰かが変更したり削除したりできないようにすることです。
そのために、アクセス権を持つ個人だけがアクセスできるパスワードやコードを使用することもあります。
procedural
これは、権限を持つ人が、企業自身や顧客に対して悪意を持つことなく、メールシステム内の情報を閲覧したり変更したりできるようにすることです。

メールセキュリティの仕組み

メールセキュリティは、以下の3段階のプロセスを実装することで機能します。

認証
これは、メールを送信した人が実際にそれを送ったことを確認するプロセスです。
送信者の名前とデジタル署名を記録と照合することによって行います。
暗号化
これは、データを暗号化し、秘密鍵へのアクセス権を持つ人だけがそれを読めるようにします。
つまり、秘密鍵の情報を持っている人以外は、誰もそれを読むことができないことを意味します。
保護
保護とは、フィッシング攻撃から身を守るプロセスを指します。
フィッシング攻撃とは、アカウントを危険にさらしたり、パスワードやクレジットカード番号のような機密情報を漏らす可能性があるメール内のリンクをクリックさせる攻撃です。

なぜメールセキュリティが重要なのか?

メールのセキュリティが重要な理由は以下の通りです。

機密性の保護

メールには個人情報や財務データ、企業秘密などの機密情報が含まれることが多く、これらの情報を不正アクセスから守ることが不可欠です。
適切なメールセキュリティ対策を講じなければ、そのような情報は容易に傍受され、危険にさらされる可能性があります。

メールメッセージの完全性の保持

メールメッセージは送信中に改竄される可能性があり、送信者や受信者が知らないうちに何者かがメッセージの内容を変更することが可能です。
メールの完全性を確保することで、送信中にメッセージが改竄されないことを保証します。

可用性の確保

メールセキュリティは、メールシステムの可用性を確保するためにも重要です。
メールシステムは攻撃者に狙われることがあり、適切なセキュリティ対策が講じられていないと、システムが妨害され、ダウンタイムや生産性の低下、データの損失の可能性が発生することがあります。

コンプライアンス基準の維持

多くの業界や組織は、機密情報の保護を義務付けるさまざまな規制やコンプライアンス基準の対象となります。
メールセキュリティ対策を導入することで、これらのコンプライアンス要件を満たし、高額な罰金やペナルティを回避することができます。

メールセキュリティプロトコル

メールのセキュリティを強化するために設計されたいくつかの標準的なメールセキュリティプロトコルがあります。
以下は、一般的に使用されているプロトコルのいくつかです。

1. Secure/Multipurpose Internet Mail Extensions(S/MIME)

S/MIMEは、メールメッセージに対してエンドツーエンドの暗号化とデジタル署名を提供します。
メッセージを暗号化し、送信者の身元を検証することにより、メールの内容の機密性と完全性を保証します。

2. Transport Layer Security(TLS)

TLSは広く採用されているプロトコルで、メールサーバ間の通信を暗号化し、メールデータの安全な伝送を保証します。
これにより、送信中の盗聴や改竄から保護します。

3. Sender Policy Framework(SPF)

SPFは、ドメイン所有者が自分のドメインに代わってメッセージを送信する権限を持つメールサーバを指定できるようにすることで、メールのなりすましを防ぐのに役立ちます。
受信サーバはSPFレコードを検証することで、受信メールの信頼性を確認することができます。

4. DomainKeys Identified Mail(DKIM)

DKIMは、送信メールにデジタル署名を追加し、メッセージが改竄されておらず、主張されているドメインから確実に来ている、ということを受信サーバが検証できるようにします。

5. Domain-based Message Authentication, Reporting, and Conformance(DMARC)

DMARCは、SPFとDKIMを組み合わせてメールを認証し、認証に失敗したメッセージを受信サーバがどのように扱うべきかを指定します。
これはドメインのなりすましを防ぎ、ドメイン所有者がメールの使用状況や悪用の可能性を可視化するのに役立ちます。

6. Internet Message Access Protocol Secure(IMAPS)とPost Office Protocol Secure(POP3S)

IMAPSとPOP3Sは、それぞれIMAPとPOP3プロトコルの安全なバージョンです。
これらは、メールサーバからのメールの取得時に暗号化を追加し、クライアントとサーバの間を伝送中のメールの内容の機密性を保証します。

これらのプロトコルが連携して、暗号化、認証、および検証などのさまざまなレイヤのメールセキュリティを提供し、不正アクセスやデータ侵害、およびメールに基づく攻撃から組織を保護するのに役立ちます。

メールセキュリティのベストプラクティス

オンラインビジネスにおいて、メールのセキュリティは極めて重要です。
メールのセキュリティ対策をしていない場合、サイバー攻撃やデータ盗難のリスクにさらされる可能性があります。

幸いなことに、電子メールのセキュリティ対策はいくつかあります。
これらの対策はそれぞれが、メールに関する情報を保護し、盗み見られないようにするための独自の方法を持っています。

これらには、メッセージがネットワーク上を移動する際に傍受されないようにする暗号化や、メッセージの送信者が本人であることを確認する認証が含まれます。

スパムフィルタの実装

スパムは、しばしば有害または虚偽の内容を含む迷惑メールの一種です。
スパムメールの送信者は以下の通りです。

スパムフィルタは、不要なメールを識別してブロックするために設計されています。
これは、メールの内容を調べて、特定のパターンを見つけることによって達成されます。
スパムフィルタがメッセージをスパムとして識別すると、そのメッセージは受信者の受信トレイに送信されなくなります。

利用可能なスパムフィルタにはさまざまな種類があります。

ウイルス対策と保護の設定

ウイルスは今日のメールセキュリティにとって最大の脅威の一つです。
これらはファイルを破壊し、パスワードや個人データを盗み、送信されたメールの感染した添付ファイルを通じて複数のシステムに広がることによって、ネットワーク全体を感染させる可能性があります。
これらのウイルスは、その全てが迅速に検出されない場合、会社のメールサーバやアプリケーションに大混乱をもたらす可能性があります。

メールを保護する最善の方法は、メールサーバ内にウイルス対策の保護システムを実装することです。
ウイルス対策システムは、全ての受信メールにウィルス、ワーム、トロイの木馬が含まれていないかチェックします。

メールの添付ファイルの制御の実施

フィッシングメールは、メール内のリンクをクリックすることで個人情報を騙し取るように設計されています。
このようなメールの添付ファイルには悪意のあるソフトウェアが含まれていることが多く、詐欺師があなたのコンピュータにアクセスして、銀行などの情報を取得する可能性があります。

フィッシング攻撃から身を守る最善の方法は、メールの添付ファイルを制御するシステムを使用することです。
このシステムを使えば、受信トレイに送られてくるファイルの種類を、自分やチームの誰かが開く前に確認することができます。
また、セキュリティフィルタ(ウイルス対策ソフトウェアやスパムフィルタなど)の通過を許可する前に、そのファイルが本当に送信者のアドレスから送信されたかどうかを確認することもできます。

メール暗号化の実施

暗号化されていないメールは容易に解読できるため、ハッカーに対して脆弱です。
これはつまり、誰かが暗号化されていないメールを傍受した場合、パスワードや鍵を使わなくても読むことができるのです。
メールを暗号化することで、意図した受信者のみがそれを読むことができ、ハッカーに対する安全性が高まります。

メールデータの暗号化は、データをスクランブルすることで機能し、特別な鍵がなければ解読できなくなります。
これは、たとえ誰かがあなたのサーバからメールを盗み見したとしても、暗号化を解除するために必要な鍵にアクセスできなければ、メールの中身を理解することはできないことを意味します。
そしてその鍵を持っているのは、意図した受信者だけなのです。

メールを暗号化する方法については、こちらをご覧ください。

メールセキュリティの例

メールセキュリティの例をいくつか挙げてみます。

DMARC、SPFおよびDKIMによるメールセキュリティの強化

メールセキュリティとは何か、ビジネスにとっていかに重要であるかを知っていても、最適なセキュリティを提供するにはまだ不十分かもしれません。
そんな時こそ、企業、学校、会社組織向けの次世代メールセキュリティプロトコルであるDMARCの出番です。
これは、ビジネスをなりすましメールから保護するために設計された先進的なセキュリティメカニズムです。

メール通信のセキュリティを確保したいのであれば、DMARCはそのための最も効率的なツールです。
DMARCの実装により、全てのメールが、配信を希望するドメイン(または正当な送信者)から送られているのを確認することができます。

DMARCは、SPFとDKIMという他の2つの技術も利用し、強力なシステムとして機能します。

SPF

SPFは、送信サーバのIPアドレスをドメインの認証済みサーバのリストと照合することにより、メールの発信元を特定します。

DKIM

DKIMは、メッセージヘッダ内にデジタル署名を作成します。
この署名は、送信者のDNS上で公開されている公開鍵と照合することで検証されます。
これにより、メールを送信しているドメインを所有しているか、もしくは正当な送信者になりすまそうとしているだけなのかをチェックし、もう1つのセキュリティレイヤを提供します。

DMARCがメールセキュリティを強化する方法

DMARCは、強力な認証、信頼できるサードパーティ、およびルールベースのポリシーに基づいて構築された最高のメールセキュリティソリューションです。
DMARCは、メール通信を管理するための堅固な基盤を提供するとともに、信頼できない送信元からのメッセージであっても管理できる複雑なポリシーの設定を可能にします。
DMARCがメールセキュリティをどのように強化するかは以下の通りです。

  1. DMARCが他のメールセキュリティソリューションと異なる最も顕著な特徴は、メールのメタデータ(送信者など)を参照することである
    そのため、スパムやフィッシング攻撃を防ぐだけでなく、受信サーバ側で認証を行い、正当な受信者のみがそれらを受け取ることを保証する
  2. これは受信側(受信側のサーバ)で機能するため、効果的である
  3. IPアドレスやDNSルックアップデータを含むさまざまな方法を使用して不審なメッセージを特定するため、他のソリューションのように単一的な障害に依存しない
  4. DMARCは疑わしいメールを特定し、それらが意図した受信者に届かないようにブロックする
  5. あらゆる種類のメールプロバイダがDMARCに対応しており、小規模ビジネスから大企業まで実装できる
    また、非常にカスタマイズしやすく、特定の種類のメールに対して異なるアクションを実行するようなポリシー(p=rejectやp=noneなど)に調整することができる

メールセキュリティサービスを利用するメリット

DMARCは、Domain-based Message Authentication, Reporting, and Conformance(DMARC)標準を使用した最新のメールセキュリティソリューションです。
これは、メールのフィッシングやマルウェアのリスクを低減します。

DMARCはメールのセキュリティを向上させる追加機能を提供し、あなたのドメインになりすましてフィッシングやマルウェアに感染したメッセージが送られようとした場合に効果的な対応を設定することができます。
これ(※訳注:DMARC Alignmentチェック)は、送信者、受信者、件名、本文、および各メッセージの特定の特性に関する情報に基づいた一連のチェックとバランスを使用して行われます。

DMARCプロトコルにおいて、メールヘッダのd=とReturn-Pathの値がFromドメインと異なる場合、受信者のマシンはメッセージが正当な送信元から来たかどうかを確認することができません。

PowerDMARCによるメールセキュリティ

従業員がメールを安全に使用するための訓練をどれだけ行っても、セキュリティ違反は避けられないことがあります。
あなたの会社が多数のハッキング被害に遭った企業の1つである場合、セキュリティの穴を修復するために何から手をつければいいのか、わからなくなるかもしれません。

そこで、PowerDMARCのDMARCマネージドサービス(※訳注:MailDataではプロフェッショナルサービス)の利用をご検討ください。
データセキュリティの分野で何十年もの経験を持つ専門家チームは、最新の攻撃から保護するために何が必要かを熟知しています。

DMARCが適切に設定されていれば、このようなメールセキュリティの問題は全て解決され、重要なこと、つまり顧客とのより良い関係の構築に集中することができます。
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