メール保護のための10の最良のヒントと戦略

メール保護のための10の最良のヒントと戦略

2024年7月10日
著者: Ahona Rudra
翻訳: 岩瀨 彩江

この記事はPowerDMARCのブログ記事 10 Best Email Protection Tips and Strategies の翻訳です。
Spelldataは、PowerDMARCの日本代理店です。
この記事は、PowerDMARCの許可を得て、翻訳しています。


今日、メールは私たちの生活に欠かせない存在となっています。
それは、個人的な側面と職業的な側面の両方を含みます。

もし1971年に戻って、最初のメールを送信したレイ・トムリンソンにこの支配的な状況について尋ねたとしたら、彼はきっと信じなかったでしょう。
メールはもはや単なる通信手段ではなく、私たちのデジタル世界への入口となっています。
銀行口座の詳細、パスワード、さらにはクレジットカード番号など、重要な情報を保存するためにもよく使用されています。

しかし、メールの利用には独自のリスクや課題も伴います。
疑わしいリンクをクリックしたり、詐欺メールを開いたり、悪意のある添付ファイルをダウンロードしたりすると、壊滅的な結果を招くことがあります。
これには、個人情報の盗難、フィッシング、またはマルウェアによるデバイスやシステムの感染などが含まれます。

メールアカウントは、無防備なユーザから機密情報を盗み出そうとするサイバー攻撃やハッカーに対して非常に脆弱です。
これらの危険は作り話ではなく、現実に存在する深刻な問題であり、毎日何千人もの人々に影響を及ぼしています。
こうしたメールを利用した攻撃の被害者にならないために、メールセキュリティを強化するための10の包括的なヒントをまとめました。

さっそく始めましょう!

重要なポイント

  1. 強力で一意のパスワードと二要素認証(2FA)を使用して、アカウントのセキュリティを強化します。
  2. 送信者情報を注意深く確認し、誤りに注意し、クリックする前にリンクを検証することで、フィッシング攻撃に対して警戒を保ちます。
  3. 機密性の高いメールにアクセスする際は、公共のWi-Fiを使用しないでください。
    必要な場合は、安全な接続を確保するためにVPNを利用します。
  4. DMARC、SPF、DKIMなどのメール認証プロトコルを実装して、なりすましを防ぎ、メールの到達率を向上させます。
  5. ソフトウェアを定期的に更新し、ウイルス対策/マルウェア対策ツールを使用し、ユーザ教育を行うことで、堅牢なメール保護を維持します。

なぜメール保護が重要なのでしょうか?

企業、取引先、同僚、さらには友人や家族の間でやり取りされるメールには、しばしば膨大な情報が含まれています。
サイバー空間という海には、あなたのデータを狙うサイバー攻撃者が無数に潜んでいます。
彼らは、個人情報の盗難に利用できる個人識別情報を探し求めています。

攻撃者はまた、被害者を巧みに誘導して、企業アカウント、銀行口座、またはクレジットカードのパスワードなどの認証情報を漏らさせることもあります。
こうしたサイバー攻撃は、データ漏えい、金銭的損失、そして評判の失墜を引き起こす可能性があります。

特に、規制の厳しい業界でマーケティングを行う組織にとっては、誤って扱われたメールやなりすましメールが、コンプライアンス違反やブランドイメージの損失につながるおそれがあります。
安全なメール通信を確保することは、あらゆるビジネスの基盤として不可欠な要素です。
では、なぜサイバー攻撃者はメールを標的にするのでしょうか?

2024年、北朝鮮のハッカーグループ「Kimsuky(キムスキー)」は、脆弱なメール認証ポリシーを悪用したフィッシング攻撃を仕掛けました。
多くの組織は、メール保護を十分に実施しておらず、その重要性を認識していません。
政府機関の報告によると、フィッシングなどのサイバー攻撃で最も多く利用される手段はメールです。

2022年には、送信されたメールの48%以上がスパムであり、英国企業の83%がサイバー攻撃の原因としてフィッシングを挙げています。
メールは世界中で40億人以上が利用している、最も一般的な通信手段の一つです。
データ侵害は、企業に平均で400万ドル以上の損害を与えることが多く、深刻な「ホエーリング攻撃(経営層を狙った標的型詐欺)」では、さらに多額の損失が発生する可能性があります。

では、攻撃者が成功した場合、どのようなことが起こるのでしょうか?

つまり、メールを守るということは、単にメッセージを保護することではありません。
それは、これらの略奪的なサイバー犯罪者から、自分自身のデジタルアイデンティティと企業の収益全体を守るために帆を掲げて戦うことなのです。
また、サイバーセキュリティのベストプラクティスに関する認識と教育も、サイバー安全を維持する上で不可欠です。

2025年における企業向けの最良のメール保護対策

サイバー攻撃が年々進化しているように、メール保護の戦略も常に進化させる必要があります。 以下は、メール保護を強化するための基本的なヒントです。

1.強力なパスワードを設定し、二要素認証を有効にする
強力なパスワード設定と二要素認証(2FA)を有効にする例の画面
パスワードは、あなただけが知っている「秘密のコード」と考えてください。
簡単なものは避けましょう。ハッカーはそうしたパスワードを好みます。
大文字と小文字、数字、そして記号を組み合わせて、複雑で推測されにくいものにしてください。

また、すべてのWebサイトで異なる一意のパスワードを使用することで、ハッキングの難易度を大幅に高めることができます。
さらに、「わかりやすい単語」や「よくあるフレーズ」は避けましょう。

次に、メールアカウントに二要素認証(2FA)を設定しましょう。
これは、あなたのアカウントに特別な警備員を配置するようなものです。
メールにアクセスする際には、秘密のコードに加えて、あなたにしかない「もうひとつの要素」が必要になります。

たとえば、認識されていないデバイスや場所からログインする場合に、あなたの携帯電話に送られる認証コード(魔法の番号のようなもの)がそれにあたります。
2FA専用の別の電話番号を設定することも可能です。
仮にハッカーがあなたのパスワードを解読したとしても、この「魔法の番号」がなければログインすることはできません。
2.フィッシング詐欺を見抜き、報告する
フィッシングメールは、巧妙に変装した罠のようなものです!
次のポイントを意識して見抜きましょう。
送信者のメールアドレスを確認する
メールを誰が送ってきたのかをよく確認してください。
見覚えのないアドレスや公式でないものから届いた場合は、注意が必要です。
誤字や不自然な文に注意する
本物の企業メールには、通常、稚拙なスペルミスや文法の誤りはありません。
奇妙な表現や誤りを見つけたら、詐欺の可能性があります。
クリックする前に考える
リンクをクリックする前に、本当に正当な送信元からのメールかどうかを確認しましょう。
Web検索で送信元を調べたり、リンクにカーソルを合わせて実際のURLを確認することが重要です。
メールの“ボディガード”を活用する
多くのメールサービスにはスパムフィルタ機能が備わっており、怪しいメールを自動的に検出してくれます。
これらの機能が有効になっていることを確認しましょう。
また、不審なメールを報告することで、フィルタの精度を高めることにもつながります。
3.安全なネットワークを使用する:公共Wi-Fiに注意
安全なネットワークの使用と公衆Wi-Fiのリスクを示す図
公共のWi-Fiは便利ですが、サイバー攻撃者にとっても絶好の狙い目です。
カフェ、空港、ホテルなどの無料Wi-Fiでは、通信内容が暗号化されていない場合が多く、第三者にデータを盗み見られる危険があります。
機密性の高いメールにアクセスしたり、重要な情報を送受信したりする際は、公共Wi-Fiの利用を避けましょう。

やむを得ず使用する場合は、VPN(仮想プライベートネットワーク)を利用して、通信を暗号化することを強くおすすめします。
VPNを使えば、データが安全なトンネルを通って送受信されるため、ハッカーに盗み見られるリスクを大幅に減らすことができます。
4.機密性の高いメールを暗号化する
メールの暗号化は、効果的なメール保護対策のひとつです。
暗号化されたメールは、送信中に個人情報を盗み取ろうとする第三者から、あなたのメッセージを安全に守ることができます。

メールを暗号化すると、その内容は特定のコードに変換され、送信者と受信者だけが理解できる形になります。
つまり、あなたと受信者だけが「鍵」を使ってそのメールを解読できるということです。
たとえ第三者が不正にメールを閲覧しようとしても、暗号を解読することはできません。
5.ソフトウェアを常に最新の状態に保つ
サイバーセキュリティは、常にハッカーとの競争のようなものです。
攻撃者は、ソフトウェアを狙う新たな手口や脆弱性を日々発見しています。

メールソフト、オペレーティングシステム、ブラウザ、その他関連ソフトウェアを最新の状態に保つことで、既知のセキュリティホールを修正し、こうした攻撃から身を守ることができます。
自動更新機能を有効にしておけば、常に最新の防御策を備えた状態を維持できます。
また、実績のある計画構造に沿ってセキュリティ戦略を整備するために、サイバーセキュリティ運用向けのビジネスプランのサンプルを参考にするのも有効です。
6.定期的にバックアップを実施する
データを保護するためには、定期的なバックアップが欠かせません。
バックアップは、週に一度、または月に一度の頻度で行うのがおすすめです。

ランサムウェア攻撃やハードウェアの故障といった予期せぬ事態は、誰にでも起こり得ます。
しかし、バックアップをしっかり取っておけば、たとえアカウントがハッキングされたり、情報が損なわれたりしても、データを失うことはありません。
7.利用可能なサイバーセキュリティツールを活用する
デバイスに搭載されているウイルス対策機能や、専用のマルウェア対策ソフトを有効化し、メール保護向けに適切に設定しておきましょう。
これにより、添付ファイルのスキャンや、不正アクセスの試みの監視が可能になります。
また、メールサービスや外部ソリューションが提供するスパムフィルタを活用して、悪意のあるメールが受信トレイに届かないようにすることも重要です。

さらに、Microsoft 365のようなサービスを利用すれば、高度なメール保護ツールによって、メール内容を詳細に検査し、不審なリンクや添付ファイルを特定して警告してくれます。
また、Outlook 365の署名管理機能を活用することで、組織全体で安全性・法令遵守・ブランド一貫性を兼ね備えたメール署名を統一的に導入することができます。
これらのツールを積極的に活用し、先回りして対策を講じることで、メールセキュリティをより効果的に強化できます。
8.開く前によく考える
「知らない相手からのメールは開かないように」と言うのは簡単ですが、ビジネスの場では現実的ではありません。
そのため、未知の送信者から届いたメールは、慎重に確認することが重要です。
送信者の名前や件名を注意深く見て、正当なメールかどうかを判断しましょう。

正当なものであると判断した場合でも、開封後すぐに他に誰に送られているかを確認してください。
スパムメールは、わずかに異なるメールアドレスを使って多くの人を一度に狙うことがよくあります。

また、添付ファイルにも注意が必要です。
送信者が信頼できる相手であり、かつそのファイルを受け取る予定がある場合のみ開くようにしてください。
ファイルの拡張子も必ず確認しましょう。

スパマーは「invoice.pdf.exe」のように、見た目を偽装したファイル名を使うことがあります。
もし少しでも不審に感じた場合は、リンクをクリックしたり添付ファイルを開いたりする前に、電話や新しいメールなどの別の確認手段で送信者に連絡し、本当に本人から送られたものかを確かめてください。
9.自分自身とチームを教育する
サイバーセキュリティの脅威は日々増加しています。
デジタル社会で何が起きているのかを常に把握することが、今や欠かせません。
頻繁に情報を調べる時間がない場合は、サイバーセキュリティ関連のニュースレターを購読し、週ごとに最新情報を受け取るのがおすすめです。

企業においては、従業員向けの定期的な研修や啓発プログラムが極めて重要です。
こうしたトレーニングを通じて、従業員は機密データの扱い方、フィッシング攻撃の見分け方、そしてオンライン上での不注意による情報漏えいやソーシャルエンジニアリング攻撃への対処法を学ぶことができます。
現在発生している主なフィッシング攻撃の種類には、次のようなものがあります。
スピアフィッシング(Spear Phishing)
不特定多数ではなく、特定の個人を狙う攻撃手法です。
攻撃者は個人情報を活用して、より本物らしく、信頼できるように見せかけます。
スミッシング(Smishing)
SMS(ショートメッセージ)やテキストメッセージを利用し、個人情報の入力や悪意あるソフトウェアのインストールを誘導する手口です。
ホエーリング(Whaling)
企業の経営層など高位のターゲットを狙い、機密情報や財務情報を不正に入手しようとする詐欺的戦略です。
10.信頼できるメールプロバイダを選ぶ
すべてのメールプロバイダが同じレベルのスパム検出機能やセキュリティ機能を備えているわけではありません。
小規模なプロバイダの中には、受信メールのフィルタリングや堅牢なセキュリティ対策を十分に実施できないところもあります。
その結果、スパムやフィッシング攻撃のリスクが高まる可能性があります。

小規模なメールプロバイダを利用している企業は、必ずそのメールセキュリティ方針や機能について確認することが重要です。
これにより、スパムフィルタによって重要なメッセージが誤ってブロックされることなく、必要な通信を確実に受け取りながら、脅威から十分に保護される環境を整えることができます。

このように、知識と意識の向上は、組織と個人を守る最も効果的な防御手段の一つです。

DMARCでメール保護を次のレベルへ

2025年のメール保護は、SPF・DKIM・DMARCといったメール認証プロトコルなしでは完成しません。
GoogleやYahooなどの主要なメールサービスプロバイダは、送信者認証の義務化を先導しています。
もしあなたの組織がマーケティングやビジネスコミュニケーションで頻繁にメールを使用しているなら、今すぐDMARCを有効化する必要があります。

SPF(Sender Policy Framework)は、送信元のIPアドレスを検証することで「なりすまし(spoofing)」を防止します。
一方、DKIM(DomainKeys Identified Mail)はデジタル署名を利用して、メッセージの改ざんがないことを保証します。

DMARC(Domain-based Message Authentication, Reporting & Conformance)は、SPFとDKIMを基盤として構築されたプロトコルで、メール保護の水準をさらに高めます。
DMARCは、認証チェックに失敗したメールの処理方法を受信サーバに指示することで、フィッシング・なりすまし・メール詐欺を防止し、メールの到達率と信頼性を向上させます。
過去数年でDMARCの導入率は着実に上昇しており、その重要性を認識する企業が増え続けています。

ただし、DMARCの設定と運用は容易ではなく、誤った構成を行うとメールの到達率に悪影響を及ぼす可能性があります。
そのため、多くの組織はマネージドサービスやホスティング型ソリューション(例:DMARCアナライザー)を利用しています。
こうしたサービスでは、専門家のサポートのもとで安全かつ確実に厳格なDMARCポリシーを導入することが可能です。

最後に

メールを保護するということは、一度設定すれば終わりというものではありません。
それは、常に警戒を怠らず、変化する脅威に適応し続けることを意味します。
通信を本当に安全に守るためには、セキュリティ対策を継続的に更新し、最新の脅威情報を把握しておく必要があります。

これらの戦略を一貫して実践することで、攻撃者によるメールアカウントの侵害リスクを大幅に低減できます。
多くのインターネット利用者と同じように、あなたもメールアカウントのセキュリティについて深く考えたことがないかもしれません。
しかし、それが侵害されて初めて、その重要性に気づくものです。

あなたの取る一つひとつの行動が、セキュリティを確実に強化していきます。
今すぐ行動を起こし、メールの安全性を自分の手で守りましょう。
受け身ではなく、先手を打つ姿勢が、あなたのオンライン安全を支える鍵です。

最後に、信頼できるドメインセキュリティプラットフォームをお探しであれば、PowerDMARCをおすすめします。
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