2025年版 DMARCツール トップ6選

2025年版 DMARCツール トップ6選

2025年2月2日
著者: Milena Baghdasaryan
翻訳: 逆井 晶子

この記事はPowerDMARCのブログ記事 Top 6 DMARC Tools in 2025 の翻訳です。
Spelldataは、PowerDMARCの日本代理店です。
この記事は、PowerDMARCの許可を得て、翻訳しています。


DMARCツールは、組織が自身のドメインに対してDMARCを実装、管理、監視するのを支援するソフトウェアソリューションです。
これらのツールは、DMARCの設定を簡素化し、技術的な複雑さを排除し、実装プロセスを自動化します。
最終的に、メールセキュリティの向上、なりすましの防止、配信成功率の向上に貢献します。

DMARCツールは、DMARCレコードの生成・検証、DMARCレポートの簡素化、DMARCポリシーの施行を支援します。
手動でもレコードを追加・解釈することは可能ですが、この作業は非常に困難で時間がかかるため、業務プロセスに影響を及ぼします。
代わりにDMARCツールを使用すれば、手動設定にかかる時間、コスト、労力を削減できます。

重要なポイント

  1. DMARCツールは、メール認証の実装と管理を簡素化し、セキュリティと配信率を向上させます。
  2. DMARCツールを選ぶ際には、組織の規模、技術的な専門性、予算制約などを考慮する必要があります。
  3. 市場には多様なDMARCツールが存在しており、それぞれが自動化、レポート機能、統合性といった点で特徴を持っています。
  4. 無料のDMARC監視ツールは基本的な機能を提供しますが、有償版に比べて高度な機能が不足している可能性があります。
  5. PowerDMARCは、豊富な機能と多言語対応により、優れたDMARCツールとして高く評価されています。

DMARCツールを使う理由

DMARC(Domain-based Message Authentication, Reporting, and Conformance)は、送信者自身のドメインを保護するメール認証プロトコルです。
手動で設定することも可能ですが、DMARCツールを使用することで、構文ミスや設定ミスのリスクを低減し、管理が簡易になり、ポリシーの施行もスムーズに行えます。

2023年のフィッシング攻撃による平均損害額は1件あたり約490万ドルでした。
さらに、2024年のサイバー犯罪による被害総額は9.2兆米ドル近くに達しました。
このような状況から、世界中の企業やMSPは、メールセキュリティを強化し自社ドメインを保護するために、DMARCツールの導入を進めています。

DMARCツールは需要だけでなく、供給も増加しています。
市場にはDMARCソリューションが溢れており、それぞれの違いを見極めて自社に最適なものを選ぶのは非常に困難です。

DMARCツール トップ6

1. PowerDMARC

PowerDMARCは、今回のランキングで最も評価の高いDMARCツールです。
このSaaS型サイバーセキュリティプラットフォームは、ホスト型のメール認証ソリューションを包括的に提供します。
これには、ホスト型DMARC、SPF、DKIM、MTA-STS、TLS-RPT、BIMIが含まれます。

PowerDMARCの機能図

PowerDMARCは、詳細かつ包括的なレポート機能、効果的な脅威の検出および監視機能、そして手頃な価格設定を備えており、企業が抱えるメール認証に関するあらゆる課題とニーズに対応するオールインワンのソリューションです。

主な機能

無料のメール認証ツール

  • DMARCチェッカーおよび生成ツール
  • SPFチェッカーおよび生成ツール
  • DKIMチェッカーおよび生成ツール
  • MTA-STSおよびTLS-RPTのチェッカーとレコード生成ツール
  • BIMIチェッカーおよび生成ツール
  • 各種DNSレコードの検証および生成ツール(A、AAAA、PTR、FcrDNS、DNSSEC、WhoISなど)
長所
  • 高度な分析および可視化機能
  • 豊富なAPIによる既存セキュリティシステムとの統合
  • ポリシー施行を支援する自動化機能付きのユーザーフレンドリーなダッシュボード
短所
  • 初心者にとっては習得に時間を要する可能性
想定ユースケース
  • あらゆる規模の組織
  • MSPおよびMSSP
  • 政府機関

2. dmarcian

このDMARCツールは、メール認証に不慣れで手軽なソリューションを求めている方に特に適しています。
dmarcianは、わかりやすく直感的なインターフェースと、DMARC管理を始めるための多数のリソースを提供しており、技術的知識がないユーザでも使いやすいのが特徴です。
ただし、高度な機能やAI機能が不足しているため、より洗練されたメール認証管理を求める大企業には不向きかもしれません。

主な機能
  • 即時かつ簡単なDMARC導入
  • SPFおよびDKIM導入支援
  • 詳細なレポートと分析機能
長所
  • ユーザーフレンドリーなインターフェース
  • 初心者支援や操作ガイドの充実
  • 包括的なレポート機能
短所
  • 高度な脅威インテリジェンス機能が不足
  • ホスト型MTA-STSおよびTLS-RPTの非対応
  • SPF最適化機能がなく、DNSルックアップ制限に対処できない
想定ユースケース
  • DMARCに不慣れな中小企業

3. Valimail

Valimailのメール認証サービスは、DMARCポリシーの適用、メール詐欺の防止、DMARCの監視機能を包含しています。
Valimailは、簡易なレポート機能に加え、SPF最適化機能を提供します。
また、業界要件や規格に準拠しやすくし、コンプライアンス対応を支援します。

主な機能
  • DMARCポリシー適用の操作ガイド付きサポート
  • BIMIのサポート
  • コンプライアンス重視のソリューション
長所
  • 自動化機能
  • 簡素化されたレポートおよび分析
短所
  • 小規模事業者にはコストが高い可能性あり
  • MTA-STSおよびTLS-RPTの管理機能がない
  • 高度な脅威インテリジェンス機能が不足
想定ユースケース
  • 中規模から大規模の企業

4. OnDMARC

Red Sift社が提供するOnDMARCは、あらゆる規模の企業に対応するスケーラブルで使いやすいDMARCソリューションです。
シンプルなインターフェースと柔軟な価格設定により、メールセキュリティを強化する便利な方法を提供します。

主な機能
  • ユーザーフレンドリーなインターフェース
  • ガイド付きポリシー施行機能
  • 人気プラットフォームとの統合
長所
  • 使いやすいダッシュボードとシンプルなレポート機能
  • 短時間でのセットアップ
  • 小規模企業に適した手頃な価格
短所
  • 他のソリューションと比較して高度な機能が限られている
  • 急成長中の組織にとってはスケーラビリティに課題がある可能性あり
想定ユースケース
  • 中小企業
  • 使いやすさと迅速な導入を重視する組織

5. Postmark DMARC Analyzer

Postmarkは、技術的で複雑になりがちなDMARCレポートを、人間が読みやすい形に変換する包括的なDMARC監視サービスを提供しています。
PostmarkのメールAPIやSMTPサービスを利用していなくても、このツールは無料で使え、完全に独立したサービスとして利用可能です。
ドメインを指定し、DMARCレコードを追加するだけで、すぐに利用を開始できます。

主な機能
  • 基本的なDMARCレポートと分析
  • Postmarkのメール配信サービスとの統合
  • シンプルなセットアッププロセス
長所
  • Postmarkの利用者向けに最適化されたサービス
  • 基本的なDMARC監視において使いやすい
  • Postmarkのメールサービスとのスムーズな統合
短所
  • 他のメール認証プラットフォームと比べて機能が限定的
  • Postmarkの既存ユーザのみが利用可能
想定ユースケース
  • Postmarkをメール配信に使用している小規模事業者
  • 追加コストなしで基本的なDMARC監視を行いたい組織

6. DMARCLY

この初心者向けプラットフォームは、SPF、DKIM、DMARCの各サービスを提供し、オンラインでの通信の安全性を高めます。
分かりやすいTLSおよびDMARC RUAレポート、MTA-STSの実装、無料のDNSレコード生成ツール、便利な価格体系により、DMARCLYは技術に詳しくないユーザにも支持されています。
また、DNSルックアップ数を減らしてSPFレコードを最適化するSPFフラッテン機能も利用可能です。

主な機能
  • 自動化されたDMARC設定と監視
  • BIMIおよびMTA-STS対応
  • 柔軟な従量課金制の価格モデル
長所
  • 明瞭な可視化機能を備えたユーザーフレンドリーなインターフェース
  • 包括的なメール認証サポート
  • 中小企業にとって手頃な価格
短所
  • エンタープライズ向けソリューションに比べて高度な機能が不足
  • 大手競合に比べて統合性が限定的
  • 動的SPFフラッテン機能はすべてのケースで有効とは限らない
想定ユースケース
  • DMARCに包括的に対応したい中小企業

適切なDMARCツールの選び方

自社に最適なDMARCツールを選ぶ際には、以下の要素に注目することが重要です。

1. 組織の規模と複雑さ
大企業は、より高度な機能やスケーラビリティを必要とする場合があります。
一方で、中小企業は使いやすさやコスト重視の選択が重要となるでしょう。
2. 技術的専門知識
チームの技術力を考慮してください。
中には、ガイドや自動化機能が豊富なツールもあれば、ある程度の技術的前提知識を求めるものもあります。
3. レポートニーズ
各ツールが提供するレポートの深さやカスタマイズ性を比較しましょう。
4. 統合性
既存のメールインフラストラクチャと統合できるツールを選ぶことで、業務プロセスへの影響を最小限に抑えることができます。
5. 予算
自社のニーズを満たしつつ、予算内に収まるツールを選択しましょう。
無料ツールは基本的な機能を提供しますが、高度な機能が不足していることが多いです。
6. コンプライアンス
業界の最新規制を調査し、それらの基準を満たすツールを選ぶ必要があります。
これらの規制は頻繁に更新されるため、変化に柔軟に対応できるツールが理想です。

PowerDMARCが選ばれる理由

PowerDMARCが業界で選ばれる理由はいくつかあります。

PowerDMARCが業界で選ばれる理由
1. 直感的で使いやすいUI
高度な機能を多く備えつつも、インターフェースは直感的で使いやすく、初心者にも扱いやすい構成になっています。
シンプルさを好むユーザにも最適です。
2. グローバル対応
PowerDMARCは11言語に対応しており、単一の国にとどまらず世界中のユーザから支持されています。
3. 継続的なイノベーション
PowerDMARCは、進化するメールの脅威に対応するために、プラットフォームを継続的にアップデートし、より高度で包括的な保護機能を追加しています。
4. 分析・レポート機能
詳細でカスタマイズ可能なレポートを提供し、メールトラフィックや配信状況の分析、ドメインセキュリティの継続的な向上を可能にします。

その他の主な利点

PowerDMARCは、低価格で豊富な機能を提供しており、MSPやあらゆる規模の企業に選ばれています。

まとめ

DMARCツールは、MSPがクライアントに高度なメール保護を提供しながら収益を上げる手段となる一方で、企業にとっては自社ドメインをメール詐称やなりすましから守る重要なツールでもあります。
これらのツールは、国内外のメール認証規制にも対応し、コンプライアンス確保にも貢献します。

実際、DMARCは業界の標準となりつつあり、GoogleやYahooはすでにDMARCの導入を要件に含めています。
DMARCはDORAと直接の関連はないものの、メールセキュリティの向上を通じて準拠の一助となります。
したがって、すべての組織にとって、法的・財務的・評判的な観点から、セキュリティ体制にDMARCを追加することは非常に有益です。

今回のツール一覧が、メール通信の強化を目指すすべての企業にとって、有力な選択肢となることを願っています。
自社のニーズを見極め、予算を確保し、すぐに導入を開始して、次なる大規模サイバー詐欺を未然に防ぎましょう。