DMARCによるメール保護のイメージ

なぜDMARCは重要なのか?【2026年最新版】


著者: Ahona Rudra
翻訳: 逆井 晶子

この記事はPowerDMARCのブログ記事 Why is DMARC Important? [2026 Updated] の翻訳です。
Spelldataは、PowerDMARCの日本代理店です。
この記事は、PowerDMARCの許可を得て、翻訳しています。


DMARCの重要性は、送信者の検証およびなりすまし防止において明確に表れています。
もし悪意のある第三者が貴社を装ってメールを送信した場合、DMARCを使用することで、適切な対応を取ることができます。
これにより、スパムやフィッシングを未然に防ぐことができます。

DMARCはまた、メールマーケティング施策に関する洞察を提供し、サイバー犯罪者によって貴社のドメインが悪用されるのを防ぎます。
サイバー犯罪によるコストは2029年までに15兆ドルに達すると予測されており、DMARCのような将来を見据えたソリューションを導入することが今後不可欠な対策です。
本ブログ記事では、DMARC認証の重要性と、ドメインに正しく実装するために何ができるかを解説します。

重要なポイント

  1. DMARCは、すべての企業において送信者の真正性を検証し、メールなりすましを防止するために不可欠です。
  2. DMARCを実装することで、デジタルブランド保護が強化され、お客様とのコミュニケーションにおける信頼が構築されます。
  3. DMARCは正当なメールが受信トレイに届くことを保証し、メール配信率とマーケティングROIを向上させます。
  4. DMARCレポートは、メールフロー、認証結果、潜在的な脅威に関する重要な可視性を提供します。
  5. 今後のコンプライアンス要件や進化する脅威により、特に大量送信者にとってDMARCは安全なメール運用に必須となります。

DMARCとは何か、そしてどのように機能するのか?

DMARC(Domain-based Message Authentication, Reporting, and Conformance)は、メール認証プロトコルです。
DMARCは、既存のSPFおよびDKIMレコードの上に設定されることで、ドメインから送信されたメールが正規のものか偽装されたものかを確認するのに役立ちます。
これにより、メール受信側は、送信元ドメインのDMARCポリシーに従い、メールを認証し、レポートを生成し、適切に処理することができます。

DMARCは、組織がドメインのなりすましや不正利用から保護するのに役立ちます。
ドメイン所有者は、SPFおよびDKIMのチェックに失敗したメールに対してどのような対応を取るかを指定できます。
DMARC認証プロセスは以下のとおりです。

1. 認証

DMARCはSPFおよびDKIMを基盤として、メールが主張するドメインから正当に送信されているかを検証します。

2. ポリシーの適用

ドメイン所有者は以下のポリシーを設定できます。

DMARCポリシーp=nonep=quarantinep=reject
なりすまし結果 攻撃の防止不可
メール詐欺活動の減少なし
攻撃成功率の低下
メール詐欺のわずかな減少
攻撃の阻止
メール詐欺の大幅な減少
他のメールドメインにおける攻撃増加の可能性
None(p=none)
メールをブロックせず、監視およびデータ収集のみを行います。
Quarantine(p=quarantine
疑わしいメールをスパムとして扱います。
Reject(p=reject)
不正なメールを完全に拒否します。

3. レポーティング

DMARCはドメイン所有者にレポートを提供し、メールトラフィックの分析、配信失敗の監視、認証結果の把握、不正なメール活動の検出を可能にします。

なぜDMARCは重要なのか?

2026年において、DMARCの重要性は、避けられないさまざまな脅威や業界の必須要件により明確になっています。
企業規模や業種を問わず、すべての組織には情報セキュリティとドメイン保護が必要です。
以下に、その理由を一つずつ見ていきましょう。

1. メールセキュリティと成り済まし防止

フィッシング攻撃やドメインなりすましは蔓延しており、保護がなければドメインは弱く脆弱な状態に置かれます。
DMARCは、サイバー攻撃者によるドメイン名の偽装を防ぎ、ブランドとお客様の双方を、フィッシングやなりすまし、ユーザ名、パスワード、クレジットカード情報など機密情報を含むメールを用いたフィッシングやなりすましから、ブランドとお客様の双方を保護します。

2. ブランド評価とデジタルブランド保護

ドメインが侵害されたり、容易に成り済ましが可能な状態であったりすると、ブランドの評価は大きく損なわれます。
DMARCを強制適用することで、ドメイン名への不正アクセスを遮断し、成り済ましやブランド悪用のリスクを防止できます。
DMARCは、正当なメールと詐欺メールを明確に区別することで、デジタルブランド保護を強化します。

3. お客様の信頼

お客様は、メールを開封する際、ブランドに対して抱いている信頼に大きく依存しています。
信頼しているブランドを装ったフィッシングメールを受信すると、お客様はそのブランドに対する信頼を失ってしまう可能性があります。
DMARCを導入することで、受信者はそのメールが正当なものであると安心できます。

さらに、安全なカスタマーサービスソリューションと組み合わせることで、サポート返信からアカウント更新に至るまで、すべてのお客様とのやり取りが正当で保護された状態に保たれます。

メール配信率におけるDMARCの重要性

2024年以降、DMARCを導入していない場合、主要なメールプロバイダによってメールがスパムとして扱われたり、拒否されたりする可能性があります。
効果的なコミュニケーションと円滑な配信を確保するために、DMARCの実装は不可欠です。

DMARCは配信率を向上させます

認証されたメールは、より容易に受信トレイに届きます。
DMARCは、正当なメールがスムーズに通過することを保証し、配信成功率を向上させます。
DMARCを導入した多くの組織が、短期間で配信率の向上を実感しています。

DMARCはドメインなりすましを防止します

p=rejectのDMARCを設定することで、フィッシングやなりすまし攻撃を防止できます。
その結果、受信者が貴社ドメインを通報したり、ブロックリストに登録したりする可能性が低下します。

DMARCはドメイン評価を維持します

DMARCを有効にすることで、インターネットサービスプロバイダやメールプロバイダが重視するドメイン評価を維持できます。
良好なドメイン評価は、メールが受信トレイに届きやすくなり、配信率の向上につながります。

DMARCはメールマーケティングの効果を高めます

頻繁にマーケティングメールやプロモーションメールを送信する企業にとって、DMARCは必須です。
正当なメールであっても、受信側のメールプロバイダによってスパムとして扱われることがありますが、DMARCはこれを防止します。
メールを認証することで、配信成功率が向上し、メッセージが意図した受信トレイに届くため、メールマーケティングのROI(Return on Investment/投資対効果)が改善されます。

DMARCはコンプライアンスを確保します

GoogleやYahooのガイドライン
すべての送信者にメール認証が義務付けられており、これらのガイドラインに準拠している企業は、配信拒否や配信トラブルが自動的に少なくなります。
PCI SSC
DMARCの実装を、フィッシング対策としての「良い実践例」の一つとして挙げており、義務ではありませんが、ドメイン所有者は本プロトコルを設定することで、メール詐欺に対する防御力を高めることができます。

大量送信者にとってのDMARCの重要性

GoogleとYahooは2024年に大量送信者向け要件を導入し、1日5,000通以上メールを送信するすべての送信者にDMARCを義務付けました。
これは、日常的にマーケティングメールやプロモーションメールを送信する組織に特に当てはまります。
主要なメールプロバイダは、スパムおよびフィッシング対策を強化する目的で、DMARCに代表される安全な送信者のベストプラクティスをガイドラインに組み込んでいます。

DMARCは、大量メールキャンペーンのセキュリティを確保するうえで大きな効果を発揮します。
第三者によるなりすましを防止し、お客様を狙ったフィッシングやメール詐欺から保護するための重要な防御手段です。

また、DMARCはもはや任意ではない点にも注意が必要です。
少なくとも「p=none」ポリシーでDMARCを実装していない大量送信者は、配信率の低下、バウンス増加、スパム苦情の増加といった問題に直面します。

DMARCポリシーがない場合の影響

DMARCを導入していない場合、以下のような悪影響があります。

1. フィッシングおよびなりすまし攻撃への脆弱性の増大

DMARCを実装していない、または過度に緩いDMARCポリシーを使用している組織は、なりすましのリスクが高まります。
その結果、フィッシングやなりすまし攻撃といった脆弱性が生じます。

2. メール配信率およびブランド評価への悪影響

DMARCポリシーがないと、配信率やブランド評価にも悪影響を及ぼします。
攻撃者は保護されていないドメインを狙い、フィッシングメールを送信します。
これによりブランド評価が低下し、正当なメールがスパム扱いされたり、ドメインがブロックリストに登録されたりする可能性があります。

3. DMARCが導入されていなかったことで影響を受けた組織の例

  1. 2024年、米国のサイバーセキュリティ・インフラストラクチャ安全保障庁(CISA)は、北朝鮮のサイバー攻撃グループであるKimsukyが、 DMARCが十分に設定されていないドメインを悪用し、スピアフィッシング攻撃を行っていたと報告しました。
  2. ある調査では、中国のトップ100ブランドのうち95%以上がDMARCポリシーを導入しておらず、メールなりすましやフィッシング攻撃に対して脆弱であることが明らかになりました。
  3. ある法執行機関(LEA)は、DMARCを「p=reject」ポリシー(最も強力な強制設定)で実装した後、大きな効果を得ました
    数か月以内に、同機関ではメールなりすましの試みが大幅に減少し、通信のセキュリティが強化されました。
  4. 複数のPowerDMARCお客様およびチャネルパートナーも、DMARCを導入した後、メール配信率の向上と、なりすまし攻撃の減少を報告しています。
事例を読む

メールフロー監視におけるDMARC

DMARCは、そのレポーティング機能により、メールフローおよび配信率の監視において重要な役割を果たします。
この機能を利用するには、DMARCのDNSレコードで「rua」タグを有効にするだけです。
これにより、受信側メールプロバイダは、組織のメールエコシステムに関する詳細な情報を含む包括的なXMLレポートを送信します。

これらの生のレポートは読みにくい場合がありますが、DMARCアナライザーツールを使用すると、データを解析・整理し、人が理解しやすい形式で表示できます。
多くの場合、インタラクティブなダッシュボードを通じて、メールフロー、配信失敗、認証ステータスを簡単に監視できます。

DMARC RUAレポートは、以下を可能にします。

DMARCを実装する手順

以下は、DMARCを実装するためのステップバイステップガイドです。

DMARCをドメインに実装するための具体的な4つの手順を示した図解

1. SPFおよびDKIMレコードを作成する

DMARCを実装するには、SPFまたはDKIMのいずれかが必要です。
PowerDMARCでは、全体的なセキュリティを強化し、誤検知を減らすために、SPFとDKIMの両方を実装することを推奨しています。

  1. SPFおよびDKIMレコード生成ツールを使用して、作成を開始してください。
  2. 作成したレコードは、ドメインのDNSに手動で公開することもできます。
    または、PowerDMARCに登録することで、DNSへの直接アクセスなしに自動DNS公開機能を使用できます。
  3. 最良の結果を得るためには、両方のレコードが正しく設定されている必要があります。
    実装後は、ツールボックスにあるSPFおよびDKIMチェッカーツールを使用して検証できます。

2. DMARCポリシーを設定する

DMARCを設定するには、「p=」タグで示されるポリシーを設定する必要があります。
DMARCには以下の3つのポリシーがあります。

p=none
強制は行わず、メールトラフィックを監視します。
p=quarantine
疑わしいメッセージにフラグを付ける、または受信側の隔離フォルダに移動します。
p=reject
疑わしいメールが受信者に配信されるのを防止します。

最初は「p=none」ポリシーから開始し、その後「p=quarantine」、最終的に「p=reject」へ移行することが重要です。
このように段階的かつ戦略的にDMARCポリシーを強化することで、メール配信率を維持しながら改善できます。

3. DMARCレコードを作成する

DMARCレコード生成ツールを使用すると、技術的な手間なくDMARCレコードを作成できます。
このツールは、公開可能で、構文的に正しく、人為的ミスのないレコードを生成します。
実際のところ、ドメインにDMARCを実装するために必要なのは、1行の構文でDMARCレコードをDNSに公開するだけです。

4. レポーティングを有効にする

DMARCを実装したら、最初からレポーティングを有効にすることが重要です。
DMARCのレポーティングにより、メールトラフィックを監視し、配信上の不整合を特定できます。
また、不審な送信元を検出するのにも役立ちます。

一般的な課題と解決策

DMARCの設定時に、組織が直面する課題はいくつかあります。

DMARC導入の障壁
多くの組織は、DMARCが複雑で導入や維持が難しいと感じています。
特に、複数のドメインを管理・監視する場合、継続的な運用が必要になります。
考えられる解決策
組織は、DMARCの自動実装と容易な管理を実現するために、Hosted DMARCソリューションの利用を検討できます。
これにより、監視、レポーティング、ポリシー強制のプロセスが簡素化され、レポートを監視しながらDMARCポリシーの強制適用へと戦略的かつ段階的に移行できます。
メール配信に関する問題や、なりすましの試みに関する最新状況を把握するために、DMARCレポートを定期的に確認する必要があります。

DMARCの将来

メール脅威が高度化し続ける中、DMARCのようなメール認証プロトコルへの需要は今後も増加します。
2024年には、2023年と比較してDMARC導入率が11%増加しました。
Googleの2024年メール認証義務化は、DMARC導入の顕著な増加に寄与しています。

政府機関や業界規制当局もDMARC導入を推進しており、その重要性は今後さらに高まると予想されます。
DMARCは、世界中の規制機関にとって、今後の主要なコンプライアンス要素となるでしょう。

DMARCと併せて、SPFやDKIM、さらにBIMIMTA-STSといった高度なプロトコルの導入も進むと予想されます。
これにより、ドメインセキュリティとメールの信頼性がさらに向上します。

まとめ

SMTPメール通信におけるサイバー脅威、特に悪用の増加を見れば、DMARCの必要性は明らかです。
そのため、DMARCは近年ますます重要性を増しており、機密データやリソースの損失を防ぐ目的で、従業員に対して必須とする企業も出てきています。

DMARCのさまざまな利点を考慮し、より安全なメール環境へ移行する時が来ています。
PowerDMARCは、その第一歩を支援できます。
ぜひ無料のDMARCアナライザートライアルをお試しください。

よくある質問(FAQ)

DMARCを導入しないとどうなりますか?

DMARCを導入していない場合、以下のようなリスクが高まります。

DMARCはマーケターやメールの大量送信者に関係ありますか?

はい、極めて重要です。
GoogleやYahooなどの主要プロバイダーは、大量送信者に対してDMARCの実装を義務付けています。
未対応の場合、メールが届かなくなるリスクがあります。

また、DMARCの実装はメールマーケティングのROI向上にもつながります。

DMARCでメールの到達率を改善するにはどうすればよいですか?

以下の手順が必要です。