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MSSPの未来

MSSPの未来:マネージドセキュリティサービスにおける新たなトレンドと革新

2024年5月14日
著者: Irina Ghukasyan
翻訳: 逆井 晶子

この記事はPowerDMARCのブログ記事 The Future of MSSPs: Emerging Trends and Innovations in Managed Security Services の翻訳です。
Spelldataは、PowerDMARCの日本代理店です。
この記事は、PowerDMARCの許可を得て、翻訳しています。


マネージドセキュリティサービスプロバイダー(MSSP)は、組織がセキュリティ体制を管理する上で重要な役割を果たしています。
これらの企業は、サイバー脅威から組織を保護するための様々なセキュリティサービスを提供しています。
IT環境の複雑化、サイバー攻撃の増加、熟練したセキュリティ専門家の不足に伴い、MSSPの需要は高まっています。
本ブログ記事では、MSSPの未来を形作るマネージドセキュリティサービスにおける新たなトレンドと革新について説明します。

重要なポイント

  1. 組織のクラウド移行に伴い、クラウドベースのセキュリティサービスの需要が高まっています。
  2. メール認証サービスは、フィッシング攻撃やメールのなりすましリスクを大幅に軽減します。
  3. AIおよび機械学習は、運用の自動化と脅威の迅速な特定によってセキュリティサービスを強化します。
  4. IoTセキュリティサービスは、接続されたデバイスの増加によって生じる脆弱性の管理に不可欠です。
  5. MSSPはゼロトラストセキュリティモデルを採用しており、すべてのユーザおよびデバイスの検証を重視しています。

2023年の注目されるMSSPサービス

1.クラウドベースのセキュリティサービス
組織が業務をクラウドに移行する中、クラウドベースのセキュリティサービスの需要が高まっています。
MSSPは、クラウドアクセスセキュリティブローカー(CASB)、クラウドセキュリティ態勢管理(CSPM)、クラウドワークロード保護プラットフォーム(CWPP)を提供しています。
これらのサービスは、クラウド環境の保護およびセキュリティ体制の可視化を支援します。
AWSやMicrosoft Azureといったクラウドネイティブのセキュリティソリューションと統合されたクラウドベースのセキュリティサービスも提供されています。
2.メール認証サービス

メール認証はメールセキュリティにおいて重要な要素であり、MSSPはこれをマネージドサービスとして提供しています。
メール認証は、メールが正当な送信者から送信されたこと、および転送中に改竄されていないことを保証します。
これにより、フィッシング攻撃やメールのなりすましなどのメールベースの脅威を防ぐことができます。

MSSPは、DMARC、SPF、DKIMを含むメール認証サービスを提供しており、メール通信のセキュリティを高め、メールトラフィックの可視化を実現します。
DMARC MSPは、不審なメールトラフィックを監視し、潜在的な脅威に迅速に対応することも可能です。

メール認証をマネージドサービスとして提供することにより、MSSPは組織がメールを介した攻撃のリスクを低減し、メール通信全体のセキュリティを向上させる支援を行うことができます。
これにより、組織はメールを介した攻撃が成功した場合に生じる財務的損失や信用の失墜などのリスクを回避できます。
メールが依然として組織にとって重要なコミュニケーション手段であり続ける中、メール認証をマネージドサービスとして提供することに対する需要は今後も増加し続けると考えられます。

3.人工知能(AI)と機械学習(ML)

AIおよびMLは、セキュリティサービスの提供方法に革命をもたらしています。
MSSPは、これらの技術を活用してセキュリティ運用を自動化し、脅威の検出および対応を迅速に行い、人為的ミスのリスクを低減しています。
AIおよびMLは、大量のデータを分析し、人間のアナリストには見えないパターンを特定することができます。

MSSPは、AIおよびMLを活用して予測分析や脅威インテリジェンスを提供し、新たな脅威に先回りして対応できるよう支援しています。
また、MSSPはAmazon GuardDutyやAmazon Macieを含むAmazonの分析ツールの強みを活用してAIおよびMLの能力を向上させ、クライアントのデータをより効果的に脅威から保護できるようにしています。

4.IoT(Internet of Things)セキュリティ
IoTデバイスの急増により、組織には新たなセキュリティ上の課題が生じています。
MSSPは現在、デバイス管理、脆弱性評価、脅威検出を含むIoTセキュリティサービスを提供しています。
これらのサービスは、組織がIoTデバイスを保護し、それらがサイバー攻撃の標的となるのを防ぐのに役立ちます。
また、MSSPはAIおよびMLを活用してIoTデバイスの動作における異常を検出しており、これにより潜在的なセキュリティ脅威の特定が可能になります。
5.マネージド検出および対応(MDR)
MDRは、リアルタイムで脅威を検出し、対応することに重点を置いた新しいセキュリティアプローチです。
MSSPは現在、MDRサービスを提供しており、これには高度な分析と脅威インテリジェンスを活用して脅威を迅速に検出し、それが被害を引き起こす前に対応する機能が含まれます。
MDRサービスはまた、脅威の性質、攻撃の範囲、および推奨される対応策に関する詳細な情報を組織に提供することができます。
6.DevSecOps
DevSecOpsは、セキュリティをソフトウェア開発プロセスに統合することを重視した新しいアプローチです。
MSSPは現在、DevSecOpsサービスを提供しており、これにより組織はセキュアなアプリケーションを構築し、開発プロセスのあらゆる段階においてセキュリティを統合することが可能になります。
DevSecOpsサービスは、組織がアプリケーションにおける脆弱性のリスクを低減し、ソフトウェア製品のセキュリティを向上させるのに役立ちます。
7.ゼロトラストセキュリティ
ゼロトラストセキュリティは、すべてのユーザ、デバイス、アプリケーションを信頼できないものとみなし、リソースへのアクセスを許可する前に検証が必要であるとするセキュリティアプローチです。
MSSPは現在、ゼロトラストセキュリティサービスを提供しており、これには多要素認証、アクセス制御、ID管理を含む包括的なセキュリティフレームワークが含まれます。
ゼロトラストセキュリティは、組織が機密データを保護し、不正アクセスからネットワークを防御するのに役立ちます。
8.ブロックチェーンセキュリティ
ブロックチェーンは、金融、医療、サプライチェーンなどの様々な業界で使用されている分散型台帳技術です。
MSSPは現在、ブロックチェーンセキュリティサービスを提供しており、これにより組織はブロックチェーン取引を保護し、ブロックチェーンネットワークへの不正アクセスを防止することができます。
ブロックチェーンセキュリティサービスには、ID管理、アクセス制御、暗号化が含まれます。

MSSPは2023年に新しい技術をどのように活用して変化をもたらしているのか?

1.コンプライアンスと規制
MSSPは現在、組織が業界固有のセキュリティ要件を満たすのを支援するコンプライアンスおよび規制対応サービスを提供しています。
これには、リスク評価、コンプライアンス監査、ポリシー策定などのサービスが含まれます。
2.サイバー保険
MSSPは保険会社と提携し、サイバー関連のインシデントに対する補償を提供するサイバー保険ポリシーを提供しています。
これらのポリシーは、サイバー攻撃への対応にかかるコストを相殺し、違反による経済的影響からの回復を支援するのに役立ちます。
3.脅威インテリジェンス
MSSPは、脅威の状況を理解し、新たな脅威に先手を打てるよう支援する脅威インテリジェンスサービスを提供しています。
これには、脅威ハンティング、マルウェア分析、脆弱性評価などのサービスが含まれます。
4.セキュリティの自動化およびオーケストレーション
MSSPは、セキュリティ運用の自動化と脅威対応の迅速化のために、セキュリティ自動化およびオーケストレーション技術を活用しています。
これらの技術は、セキュリティインシデントの検出および対応にかかる時間を短縮し、セキュリティ専門家がより高度な業務に集中できるよう支援します。
5.量子コンピューティング

量子コンピューティングが普及する中で、MSSPは量子関連の脅威から組織を保護するための新たなセキュリティサービスを開発しています。
これらのサービスには、ポスト量子暗号技術や量子耐性アルゴリズムの導入、さらに量子シミュレータを活用したテストが含まれており、将来的に想定される量子コンピューティングによる脅威に対して、組織のシステムを量子時代の脅威に備えて強化します。

結論として、MSSPは急速に進化しており、提供するサービスはますます高度で革新的になっています。
IT環境の複雑化とサイバー脅威の増加に伴い、MSSPはあらゆる組織のセキュリティ戦略にとって不可欠な存在となりつつあります。