強固なソフトウェアセキュリティの特徴

強固なソフトウェアセキュリティの特徴

2024年8月9日
著者: Ahona Rudra
翻訳: 岩瀨 彩江

この記事はPowerDMARCのブログ記事 What are the Hallmarks of Strong Software Security? の翻訳です。
Spelldataは、PowerDMARCの日本代理店です。
この記事は、PowerDMARCの許可を得て、翻訳しています。


なぜソフトウェアセキュリティがそれほど重要なのでしょうか?
簡単に言えば、近年では脅威が増えており、今日の多くのモバイルアプリケーション、特にそれらの多くはさまざまなネットワーク上で利用可能であり、さらにクラウドにも接続されているからです。
クラウドコンピューティングは、国境を越え、新たなオンラインの可能性を切り開く素晴らしい方法ですが、それは同時に、あなた自身やあなたのビジネスを、これまで以上に悪意のある第三者に対して脆弱にしてしまう確実な手段でもあります。

これは、弱点が増加していることを意味し、したがってセキュリティ上の脅威や侵害の増加につながります。
ハッカーはこれまで以上にアプリを攻撃しており、AppSec(アプリケーションセキュリティ)は、アプリケーションレベルでこれらの弱点を明らかにし、このような事態の発生を防ぐのに役立ちます。
さらに、企業側からは、ネットワークレベルだけでなく、アプリケーションそのものの中、特に脆弱性が高まりやすい小規模なアプリケーションにおいても、すべてを安全に保つよう求める圧力が高まっています。

これらすべてが、AppSecがなぜそれほど重要なのかを理解する十分な理由となります。
それでも、現在の状況下においても、セキュリティに対して積極的に取り組むことの重要性を認識せず、「基本的な対策」に頼りきりの人々が多く存在します。
そのような背景から、私たちはAppSecがなぜこれほど重要なのかを詳しく説明する完全なガイドをまとめました。

重要なポイント

  1. ソフトウェアをリリースする前に脆弱性を特定し、対処するためには、アプリケーションセキュリティテストが不可欠です。
  2. 過去1年間で、92%の企業が何らかの形でセキュリティ侵害を経験したと報告しており、効果的なセキュリティ対策の緊急性が浮き彫りになっています。
  3. コーディングレベルでのAppSec(アプリケーションセキュリティ)管理は、脆弱性を減らし、アプリケーション全体のセキュリティを強化します。
  4. 多要素認証は、ユーザ名とパスワード以外の追加の認証方法を要求することで、セキュリティを向上させます。
  5. ログ記録は、安全なデータへのアクセスの重要な記録を提供し、不正アクセスの試みを特定するのに役立ちます。

アプリケーションセキュリティテストの概要

ソフトウェア開発プロセスの一部には、アプリケーションセキュリティテストの実施が含まれます。
これは、新しいまたは更新されたソフトウェアアプリケーションに脆弱性がないことを確認するために行われます。
AppSec(アプリケーションセキュリティ)の監査は、アプリケーションが必要なすべてのセキュリティ基準に準拠していることを保証し、専門的な評価からしか得られない安心感を与えてくれます。

包括的なアプローチを取るためには、モバイルアプリケーションのテスト方法を理解することが極めて重要です。
効果的なテストを実施することで、潜在的な脆弱性をすべて特定・解決し、アプリのリリース前に全体的なセキュリティと信頼性を高めることができます。
アプリが監査に合格した後、開発者は、特にモバイルアプリのセキュリティを維持する際に、認可された人物だけがアクセスできるようにする必要があります。

今年初めにCheckmarxが実施した調査によると、回答した企業の92%が過去1年間に何らかのセキュリティ侵害を経験していたことが明らかになりました。
多くのセキュリティ侵害は比較的軽微であるため、私たちが常にそのニュースを耳にするわけではありません。
しかし、たとえ「軽微」とされるケースであっても、ユーザデータは確実に危険にさらされ、多くの場合、収益目的で悪用する悪意のある第三者に渡ってしまいます。

自分自身が被害者の一人になった場合、「軽微」という言葉には何の意味もありません。
そしてもちろん、データ侵害の中には—実際にはあまりにも多くの—重大なものも存在します。
中小企業から大企業まで、毎年多くの企業がデータ侵害の被害に遭っており、その脅威が自分の身近に及ぶのは、もはや時間の問題なのです。

アプリケーションセキュリティテストの概要図

AppSecセキュリティ管理が重要である理由

AppSec管理とは、アプリを開発する際にコーディングレベルで導入される技術的手法のことです。
これにより、アプリは脅威に対してより脆弱でなくなります。
多くのAppSec管理手法は、サイバー犯罪者がシステムの弱点を悪用するために使用するような予期しない入力に対して、アプリケーションがどのように応答するかを確認します。

AppSecプログラマは、このような予期しない事態に対して、結果をより制御できるようにコードを書くことができます。
その一例が「ファジングテスト(Fuzz Testing)」です。
ファジングとは、開発者が予期しない値を入力して、その結果アプリケーションがどのように誤作動するのかを調べるセキュリティテストのことです。
これにより、最終的にセキュリティホールを引き起こす可能性のある要因を特定することができます。

強固なAppSecの特徴

では、強力なAppSecを構成するものとは何でしょうか?
AppSecには、さまざまな種類の機能が含まれます。

認証(Authentication)
これは、ソフトウェア開発者がアプリ内に仕組みを組み込み、認可された人だけがアクセスできるようにするものです。
また、ユーザが本人であることを安全に確認できるようにします。

以前は、ユーザ名とパスワードを入力するだけのシンプルな認証方法でしたが、現在では多要素認証(Multi-Factor Authentication)が一般的になっています。
これは、複数の認証手段を必要とするもので、指紋認証、顔認識、スマートフォンからの確認コードなど、追加の保護層を提供するものです。
認可(Authorization)
ユーザが認証を通過した後、そのユーザはアプリにアクセスし、使用する権限を得ます。
システムは、ユーザのIDを認可済みユーザのリストと照合することで、アクセス権限を検証します。

認可は、認証が完了した後にのみ行うことができます。
これはしばしば見落とされがちな機能ですが、2要素または3要素認証プロセスを補完し、アクセスしてはいけない機能に誰も入れないという安心感を与えます。
暗号化(Encryption)
第3の段階では、ハッカーによる閲覧や悪用から機密データを保護するためのセキュリティ手段が導入されます。
メールからスマートフォンに至るまで、あらゆる通信が対象となります。
たとえば、クラウドベースのアプリケーションでは、エンドユーザとクラウド間で機密データを含む通信が行われるため、そのデータを暗号化して安全を保ちます。

これにより、送信者と受信者の間で「盗まれた」情報は解読も閲覧もできなくなります。
特に、フィンテックアプリ開発サービスを利用する分野では、支払いや銀行情報のような機密データを扱うため、暗号化は非常に重要です。
暗号化がなければ、その情報は悪意のある第三者に容易に入手されてしまいます。
ログ記録(Logging)
ログ記録は、誰が安全なデータにアクセスしたのか、そしてどのようにアクセスしたのかを明確にするのに役立ちます。
ログファイルには、誰がどの情報にいつアクセスしたのかが時刻付きで記録されます。

これは、不正アクセスを防ぐための優れた予防策です。
また、潜在的な侵入者がログの存在を知れば、自分の行動が記録され、必要に応じて警察や司法当局に提示される可能性があるため、リスクを冒す可能性は低くなります。

私たちが生きている世界は、アプリにとって危険な環境であり、その問題はますます深刻化しています。 しかし、強力なセキュリティを導入することで、アプリは防御線を築き、攻撃者が足場を固める前に阻止することができます。 だからこそ、できるだけ早い段階でセキュリティ対策を適用することが非常に重要なのです。

強力なアプリケーションセキュリティの特徴を示す図