Google Cloud DNS に TXT 値を入力する方法
GoogleDNSのエラー回避のTXT入力術
2024年5月19日
著者: Ahona Rudra
翻訳: 岩瀨 彩江
この記事はPowerDMARCのブログ記事 How to Enter TXT Values in Google Cloud DNS? の翻訳です。
Spelldataは、PowerDMARCの日本代理店です。
この記事は、PowerDMARCの許可を得て、翻訳しています。
Google Cloud DNS は貴重なリソースですが、そのインターフェースのために Google TXT レコードを追加するのが複雑になることがあります。
もし使い慣れていない場合、入力時に間違いをしてしまう可能性があり、Google は入力した空白をすべて削除してしまいます。
また、注意しないと処理が難しい無効なレコードデータエラーに遭遇することもあります。
そのため、今回のブログでは Google Cloud DNS に TXT 値を入力する方法を解説しています。
Google TXT レコードの検証方法についても説明しています。
最後までお読みください。
重要なポイント
- Google Cloud DNS は特に TXT レコードを追加する際に操作が複雑になることがあります。
- TXT レコードは、ドメイン所有権の確認や SPF、DKIM、DMARC といったメールセキュリティプロトコルに不可欠です。
- 段階的な手順に従うことで、Google TXT レコードを効果的に追加・検証することができます。
- TXT レコードを検証することは、エラーを回避し、ドメインが正しく機能するために重要です。
- TXT レコードを維持・更新することで、メール認証を強化し、フィッシングやスパム攻撃から保護することができます。
Google Cloud DNS の概要
Google Cloud DNS は、ドメイン名を公開するために使用される効率的なグローバルドメインネームシステムサービスです。
エンタープライズ DNS カテゴリにおいて、トップ 100 万サイトの中で 2 番目に人気のあるクラウド DNSです。
IP アドレスやその他のデータを保存・管理・表示することができます。
公開ゾーンとプライベートで管理されるゾーンの両方にアクセス可能です。
さらに、非ユーザであっても VM の内部 DNS 名を自動的に作成します。
Google Cloud DNS のフォワーディングゾーンは、個別のプライベートゾーンに対してターゲットネームサーバを設定し、VPC(Virtual Private Cloud)ネットワークからのアウトバウンド DNS フォワーディングを構成します。
TXT 値の重要性
Google TXTレコードは、DNSにテキストを入力できるようにするものです。
もともとは人間が読めるメモを保存するためのゾーンとして導入されましたが、現在では機械が読み取れるメモを入力することもできます。
特にGoogleやGmailでは、スパムやフィッシングの防止、ドメイン所有権の確認の手段として一般的に使用されています。
Google Cloud DNS アカウントを利用し始めると、ドメイン設定に追加すべきTXTレコードが提供されます。
GoogleがそのTXTレコードの追加を検出すると、ドメイン所有権が確認されます。
また、TXTレコードはメールのセキュリティ確保にも利用され、ハッカーによる悪意ある攻撃を防ぐ役割を果たします。
これは以下の仕組みによって行われます。
- SPFレコード:不正な送信元によるメールを特定します。
- DKIMプロトコル:暗号化を用いて、ドメインから送信されるメールメッセージを保護します。
- DMARC認証:SPFやDKIMによって検証されたメールをどのように処理するかを受信者のメールボックスに指示します。
- BIMIプロセス:DMARCで認証されたメールに、検証済みブランドロゴを追加できるようにします。
- MTA-STS:送信サーバと受信サーバの双方がこの標準を使用している場合に、SMTP 接続のセキュリティを強化します。
Google TXT レコードの追加:ステップバイステップの追加手順です。
Google TXT レコードを追加するための前提条件は次のとおりです。
- Managed Google Cloudの有効なアカウントが必要です。
- 適切に構成された DNS ゾーンファイルが必要です。
- メールアドレスが必要です。
ステップバイステップの追加手順です。
- Google Cloud アカウントにログインします。
- 「Networking」をクリックし、「Networking Services」に進み、「Cloud DNS」を選択します。
- 現在のゾーンレコードを確認できる Google Cloud DNS の設定ページに移動します。
- ゾーン名をクリックすると、ゾーンの詳細な設定情報が表示されるページが開きます。
- 「Add Record Settings」をクリックします。
- 以下の表を参照してレコードを作成します。
下記の情報を Google Cloud DNS に入力します。
DNS 名 | _validation-contactemail を入力 |
---|---|
リソースレコードタイプ | ドロップダウンリストから正しいオプションを選択 |
TXT データ | 正しく機能するメールアドレスを入力 |
- 「Create」ボタンを選択して入力内容を保存します。これで、Google TXT レコードがゾーンファイル内に作成されます。
- 設定後、DNS 情報がサーバに反映されるまでに最大 12 時間ほどかかることがあります。
- 以下の手順に従って、Google TXT レコードを検証してください。
DNSレコードとは?
DNSレコードは、ドメイン名とそれに対応するIPアドレスを関連付けるための情報を、DNSサーバに設定するためのレコードです。
これらの命令は、DNSルックアップのプロセスにおいて重要です。
すべてのドメインには、ユーザがドメイン名を使ってWebサイトにアクセスできるようにするために、少なくともいくつかの基本的なDNSレコードが必要です。
さらに、任意で設定できるレコードタイプもいくつか存在します。
Google TXT レコードの検証
Google TXT レコードを検証することで、エラーが含まれていないことを確認できます。
これには、DNS TXT レコード検索ツールを使用します。
このツールを使うと、DNS に問い合わせを行い、ドメインに公開されているレコードを確認できます。
レコード内に構文や設定の誤りがある場合は検出され、簡単に修正して Web サイトが正しく動作するようにできます。
また、ドメインの所有権や、それに紐づくメールアドレスの確認にも役立ちます。
エラーのない Google TXT レコードは、SPF、DKIM、DMARC プロトコルを実装し、メールセキュリティを強化するために重要です。
さらに、検証を行うことでDNS CNAME レコードの設定や、オンラインの問い合わせフォーム、アンケート、その他テキスト入力量の多いフォームの処理にも対応できるようになります。
Google Cloud DNS における TXT レコードの更新と管理
Google Cloud DNS では、実行したい操作を指定するトランザクションを作成・実行することで TXT 値を更新・管理できます。
トランザクションとは、1 件以上のレコード変更をまとめて適用する処理を指します。
Google TXT レコードを更新する手順は以下のとおりです。
- Google Cloud DNS ダッシュボードにログインします。
- TXTレコードを更新したいドメインを選択します。
- カードビューを選択している場合は「管理」ボタンをクリックします。
- リストビューを選択している場合は、右側の歯車アイコンをクリックします。
- 左側のメニューから「DNS & Nameservers」をクリックします。
- 「DNS & Nameserver」ページで「DNS Record」タブをクリックします。
- 青い「+」ボタンをクリックして新しいTXTレコードを追加します。
- 既存の TXTレコードを編集する場合は、画面下部にあるTXTレコード一覧までスクロールし、右端の3点メニューをクリックします。
- 必要な修正を行い、「Update DNS」をクリックして保存します。
メールセキュリティにおける TXT 値の役割:SPF、DKIM、DMARC
TXT 値は、メール認証の実装において重要な役割を果たします。
外部のメールサーバはこれらの値を利用して SPF、DKIM、DMARC 認証を行い、送信者が設定したセキュリティポリシーを理解します。
SPF(Sender Policy Framework) は、TXT 値を用いてそのドメインからメールを送信する権限を持つ IP アドレスを列挙します。
これにより、受信側のメールボックスはメールが信頼できる送信元から届いているかを確認でき、スパムやなりすまし攻撃を防ぐことができます。
DKIM(DomainKeys Identified Mail)は、暗号技術を使った認証方式でメールを保護します。
公開鍵と秘密鍵を生成し、公開鍵は DNS レコードに TXT 値として登録されることがあります。
DMARC(Domain-based Message Authentication, Reporting, and Conformance)では、TXT 値を使って SPF や DKIM 認証に失敗したメールをどのように扱うかを受信側のメールボックスに指示します。
設定されたポリシーに基づき、メールは拒否・隔離・または許可といった処理が行われます。