メールインフラストラクチャにおけるドメイン認証の実装方法
メール認証で守る信頼と到達率
2024年5月12日
著者: Yunes Tarada
翻訳: 逆井 晶子
この記事はPowerDMARCのブログ記事 How to Implement Mail Domain Authentication in Your Email Infrastructure の翻訳です。
Spelldataは、PowerDMARCの日本代理店です。
この記事は、PowerDMARCの許可を得て、翻訳しています。
メールは、今日の世界において欠かせないコミュニケーション手段となっています。
企業、個人、組織がさまざまな目的で利用しています。
しかし、毎日送受信されるメールの数が増加するにつれて、メールのセキュリティは大きな懸念事項となっています。
メールセキュリティの最も重要な側面の一つが、ドメイン認証です。
メールドメイン認証は、メールの送信者が自称する人物であることを確認し、受信者がそのメールを信頼できるようにします。
このブログでは、メールインフラストラクチャにおけるドメイン認証の実装方法について説明します。
重要なポイント
- ドメイン認証は、送信者の身元を確認し、メールのなりすましやフィッシング攻撃を防ぐために不可欠です。
- SPF、DKIM、およびDMARCの実装により、メールのセキュリティが大幅に向上し、メッセージの正当性が確保されます。
- ドメイン認証を定期的にテストおよび更新することは、メールインフラのセキュリティを維持するために重要です。
- ドメイン認証により、スパムと判断される可能性が低減し、メールの到達率が向上します。
- ドメイン認証を確立することにより、メールが確実に受信者に届くことでブランドの評判も向上します。
ドメイン認証とは?
ドメイン認証とは、メールメッセージの送信者の身元を確認するために使用される技術とプロトコルです。
これは、メールのなりすまし、フィッシング、その他のメールベースの攻撃を防止することを目的としています。
ドメイン認証により、受信者は受け取ったメールが想定された送信者からのものであり、悪意のある送信元ではないことを確認できます。
ドメイン認証には、以下の3つの主要なプロトコルがあります。
- Sender Policy Framework(SPF)
- DomainKeys Identified Mail(DKIM)
- Domain-based Message Authentication, Reporting & Conformance(DMARC)
メールインフラにおけるドメイン認証の実装
ドメイン認証の実装は、メールインフラストラクチャのセキュリティを確保するための重要なステップです。
これには、ドメインに対してSPF、DKIM、およびDMARCレコードを設定および構成することが含まれます。
以下に、ドメイン認証を実装するためのステップバイステップガイドを示します。
SPF
- SPFの実装
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Sender Policy Framework(SPF)は、受信側のメールサーバがメールメッセージの送信元が正当な送信者であるかを検証するための認証プロトコルです。
SPFは、送信者のメールアドレスのドメイン名を、そのドメインのメール送信を許可されたIPアドレスのリストと照合することで機能します。 - SPFの実装手順
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- ドメインからメールを送信することを許可されているIPアドレスを特定します。
- そのIPアドレスのリストを含むTXTレコードをドメインのDNSに作成します。
- SPFチェッカーツールを使用して、SPFレコードが正しく設定されているかをテストします。
DKIM
- DKIMの実装
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DomainKeys Identified Mail(DKIM)は、メールメッセージの正当性を確認するためにデジタル署名を使用する認証プロトコルです。
DKIMは、メールメッセージのヘッダーにデジタル署名を追加し、受信側のメールサーバが送信者のDNSレコードから公開鍵を使って署名を検証します。 - DKIMの実装手順
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- ドメイン用の公開鍵と秘密鍵のペアを生成します。
- 公開鍵をTXTレコードとしてドメインのDNSに追加します。
- 送信するメールに秘密鍵で署名します。
- DKIMチェッカーツールを使用して、DKIMレコードが正しく設定されているかをテストします。
DMARC
- DMARCの実装
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Domain-based Message Authentication, Reporting & Conformance(DMARC)は、SPFとDKIMを組み合わせて、より包括的な認証を提供するプロトコルです。
DMARCにより、送信者はSPFまたはDKIMのチェックに失敗したメールに対して、どのような対応を取るべきかを指定できます。 - DMARCの実装手順
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- ドメインのDNSにDMARCレコードを作成します。
- DMARCレポートを受け取るメールアドレスを指定します。
- SPFおよびDKIMのチェックに失敗したメールの取り扱いポリシーを指定します。
- DMARCチェッカーツールを使用して、DMARCレコードが正しく設定されているかをテストします。
ドメイン認証のメリット
ドメイン認証をメールインフラストラクチャに実装することで、以下のようなメリットが得られます。
- メールの到達率の向上
- ドメイン認証により、メールがスパムとしてマークされる可能性が減少し、受信者のメールサーバによって拒否されることが少なくなります。
- メールセキュリティの強化
- 送信者の身元を検証することで、フィッシングやなりすましなどのメールベースの攻撃を防止できます。
- ブランド評判の向上
- ドメイン認証により、メールが受信者の受信トレイに確実に届き、ブランドへの信頼感が高まります。
ドメイン認証を実装することで、長期的にどのようなメリットが得られるのでしょうか?
メール到達率の向上
メールを送信すると、受信者の受信トレイに届く前にいくつかのチェックが行われます。
受信側のメールサーバは、さまざまなスパムフィルタやウイルス対策ソフトウェアを使って、そのメールが悪意のあるものでないかを確認します。
これらのチェックに失敗した場合、そのメールはスパムとしてマークされるか、拒否されます。
ドメイン認証を実装することで、メールがこれらのチェックを通過し、受信者の受信トレイに届く可能性が高まります。
ドメイン認証がメール到達率を向上させる主な方法の一つは、メールがスパムとしてマークされる可能性を減らすことです。
送信者の身元を確認することで、受信者のメールサーバがそのメールが悪意のあるものではないと信頼できるようになります。
これにより、メールがスパムと判定されるリスクが減り、受信者の受信トレイに届く可能性が高まります。
メールセキュリティの向上
フィッシングやなりすましなどのメールベースの攻撃は、企業や組織にとって重大な懸念事項です。
これらの攻撃は、財務的損失、評判の低下、その他の悪影響をもたらす可能性があります。
ドメイン認証を実装することで、送信者の身元を確認し、これらの攻撃を防ぐことができます。
フィッシング攻撃は、銀行やeコマースサイトなどの正規の送信元を装った偽のメールを送信する手口です。
この種のメールには通常、受信者の機密情報を盗むために設計された偽のWebサイトへのリンクが含まれています。
ドメイン認証を実装することで、受信者はそのメールが正規の送信元からのものであり、フィッシング攻撃ではないと信頼できるようになります。
なりすまし攻撃とは、同僚やパートナーなどの信頼できる送信元を装ったメールを送信することを指します。
この種のメールには、機密情報の提供を求めたり、送金指示を含む場合があります。
ドメイン認証を実装することで、受信者はそのメールが想定された送信者からのものであり、悪意のある送信元ではないと信頼できるようになります。
ブランド評判の向上
ブランドの評判は、ビジネスや組織の成功にとって極めて重要です。
メールを送信する際には、受信者に対してブランドに対する良い印象を持ってもらいたいものです。
ドメイン認証を実装することで、メールが受信者の受信トレイに確実に届き、スパムと判断されないようにすることができます。
もしメールがスパムと判断されると、ブランドの評判に悪影響を与え、メールのエンゲージメント低下、開封率の減少、最終的には売上減少などの負の連鎖を引き起こす可能性があります。
ドメイン認証を実装することで、メールが確実に受信者の受信トレイに届き、ブランドの評判を維持することができます。
結論
ドメイン認証の実装は、メールインフラストラクチャのセキュリティを確保するための重要なステップです。
SPF、DKIM、DMARCの設定と構成を通じて、メールの到達率、セキュリティ、ブランドの評判を向上させることができます。
定期的にドメイン認証レコードをテスト・更新し、必要なセキュリティを確保することが重要です。