DMARC集計レポートにおける「Envelope to」とは何か?
配信経路を可視化する新視点
2024年6月16日
著者: Ahona Rudra
翻訳: 岩瀨 彩江
この記事はPowerDMARCのブログ記事 What is Envelope to in DMARC Aggregate Reports? の翻訳です。
Spelldataは、PowerDMARCの日本代理店です。
この記事は、PowerDMARCの許可を得て、翻訳しています。
メール認証の世界では、DMARCは最も広く使用されているプロトコルの1つです。
DMARCは、メール受信者がメールメッセージの真正性を確認するための仕組みを提供することで、ドメイン所有者が自分のドメインをメールスプーフィングやフィッシング攻撃から保護するのに役立ちます。
最近、PowerDMARCはポータル上のDMARC集計レポートに関連する新しい情報列、「Envelope to(エンベロープ・トゥ)」列を追加しました。
この新機能は、受信者のメールサービスプロバイダ(ESP)の種類に関する有用な情報をドメイン所有者に提供します。
重要なポイント
- DMARCは、メール受信者がメールメッセージの真正性を検証するための仕組みを提供し、ドメインをなりすましやフィッシング攻撃から保護します。
- DMARCレポートの新しい「Envelope to(エンベロープ・トゥ)」列は、どのメールサービスプロバイダが最後に自分のメールを処理したのかについて、ドメイン所有者に洞察を与えます。
- この追加機能により、スパムフィルタリングや受信者のメールサービスプロバイダによるメッセージ拒否といった、メール配信の問題を特定することができます。
- ドメイン所有者は「Envelope to」のデータを活用して、メール認証設定を改善し、配信率を向上させることができます。
- DMARC集計レポートは、認証ステータスを監視する上で価値があり、リアルタイムのメール配信監視の実践を補完するべきものです。
DMARCの「Envelope to(エンベロープ・トゥ)」列にはどのような情報が含まれていますか?
「Envelope to」列は、受信者のメールサービスプロバイダ(ESP)の種類に関する情報を提供します。
メールがドメインから送信されると、最終的な宛先に到達するまでに複数のメールサーバを経由します。
「Envelope to」列は、どのESPが最後にそのメールを処理したかを示し、メール配信経路に関する洞察を与えます。
たとえば、hotmail.comを使用しているクライアントにメールを送信し、そのクライアントのメールサーバがDMARC XMLレポートを送信する場合、そのメールがhotmail.comで受信されたことを確認できます。
DMARCの「Envelope to」列は、どのようにレポートインターフェースにとって価値ある追加機能なのですか?
この列は、ドメイン所有者がメールの配信経路を理解し、問題を特定するのに役立ちます。
この情報を活用することで、ドメイン所有者はどのメールサービスプロバイダ(ESP)が自分のメールを処理しているのか、そしてそれがどのように配信されているのかを把握できます。
この機能は、大量のメールを送信する大規模組織にとって特に有用です。
「Envelope to」データを分析することで、メールがスパムとしてマークされたり、バウンス(配信不能)したり、受信者のESPによって拒否されたりするなどの配信関連の問題を特定できます。
このデータは、ドメイン所有者がメール認証設定を見直し、メール配信率を向上させるための助けとなります。
さらに、「Envelope to」列は、メール認証設定に潜在的な問題があるかどうかを特定するのにも役立ちます。
たとえば、認可されていないESPにメールが配信されている場合、それは認証用DNSレコードにおける設定ミスを示している可能性があり、修正が必要です。
「Reporter(レポーター)」フィールドにはどのような情報が含まれていますか?
Reporter(レポーター)は、メールサービスプロバイダ(ESP)や、ESPに代わってDMARC集計レポートを生成する第三者システムです。
これらのレポートは、ドメイン所有者に自分のメールの認証状況に関する洞察を提供し、メール配信に関する問題を特定するのに役立ちます。
Reporterは、メールサービスプロバイダからDMARCデータを収集し、それを集約して標準化された(XML)形式でレポートを生成する責任を持ちます。
これらのレポートは、DMARCポリシーレコードで指定されたメールアドレスに、通常は毎日または毎週送信されます。
なお、DMARC集計レポートはリアルタイムでのメール配信監視の代わりにはなりません。
むしろ、ドメイン所有者が自分のメールの認証状況を把握し、スパム判定、バウンス(配信不能)、受信者のESPによる拒否といった配信関連の問題を特定するための有用なツールです。
この情報はPowerDMARCプラットフォーム上でどのように表示されますか?
スクリーンショットから分かるように、ダッシュボード上には「Reporter(レポーター)」情報と「Envelope to(エンベロープ・トゥ)」情報の両方が表示されていますが、これらはDMARC集計レポートに常に含まれているわけではありません。
「Reporter」フィールドには、レポートをメール送信者が指定したアドレスまたはサーバに送信するDMARCレポーティングESPが明確に記載されます。
一方、「Envelope to」フィールドには、受信者のメールサービスプロバイダ(ESP)の種類が記載されます。
注:「Envelope to」の情報は、生のXML集計データには常に含まれているわけではありません。
そのため、デフォルト設定では「Envelope to」列を無効にしており、顧客がコンソールから手動で有効化できるようになっています。
PowerDMARCのダッシュボード上では、DMARCデータは常にシンプルで読みやすい形式で表示されます。
複雑なXMLファイルから解析されたデータは、技術的な知識がほとんどない人でも理解できるように可視化されています。
表やグラフによってデータを簡単に操作・理解でき、アクションボタンで迅速に対応することが可能です。
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