サイバーセキュリティの脅威と脆弱性の種類
脅威と脆弱性を知って備える
2024年3月16日
著者: Ahona Rudra
翻訳: 竹洞 陽一郎
この記事はPowerDMARCのブログ記事 Types of Cybersecurity Threats and Vulnerabilities の翻訳です。
Spelldataは、PowerDMARCの日本代理店です。
この記事は、PowerDMARCの許可を得て、翻訳しています。
現在、サイバーセキュリティの脅威と脆弱性は至る所に存在しており、組織は競争力を維持するためにこれらに対処する必要があります。
幸いなことに、AI駆動の強力なツールが普及しており、AIを活用した言語モデルもその一例です。
例えば、言語モデルは「メールフィッシングを防ぐ方法」や「エッセイを書いてほしい」といった簡単な指示に瞬時に応答できますが、AI駆動のサイバーセキュリティソリューションは攻撃の検出、軽減、インシデント対応において積極的な役割を果たします。
しかし、AIは完璧ではありません。
一部の情報は正確であることが多いものの、いくつかの欠点があり、誤情報を広める可能性もあります。
重要な脆弱性を発見するには、このガイドが良い出発点となるでしょう。
一般的なサイバーセキュリティの脅威
1. マルウェア攻撃
悪意のあるソフトウェア(マルウェア)は、コンピュータやそのシステムに侵入し、損害を与える目的で作成されたものです。
マルウェアには様々な形態があります。
その中でもウイルスやトロイの木馬が代表例です。
- ウイルス
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ウイルスは起動されると、他のプログラムに侵入し自己複製します。
これにより、システムの動作が遅くなり、感染したファイルを介して新しいデバイスへ拡散しようとします。 - トロイの木馬
- トロイの木馬は、正規のソフトウェアを装った標的型の脅威であり、隠れた悪意のあるコードを含んでいます。これにより、不正なシステム侵入を狙うサイバー犯罪者に利用されます。
- ランサムウェア
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ランサムウェアはファイルやシステムに侵入すると、それらを復号するための支払いを要求します。
WannaCryやNotPetyaといった大規模な事例は、社会に多大な混乱を引き起こしました。 - スパイウェア
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スパイウェアはユーザーのデバイスから情報をユーザーの知らない間に収集します。
この情報には、パスワードやその他の個人情報が含まれ、攻撃者がこれを盗み、売却する場合があります。
2. フィッシングとソーシャルエンジニアリング
フィッシング攻撃は、巧妙な手口を使って個人を操作し、機密データを提供させたり、有害な行動を取らせたりするものです。
ソーシャルエンジニアリングは、以下のような手法で関与することが多いです。
- フィッシングメール
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攻撃者は偽のメールを送信し、受信者に悪意のあるリンクをクリックさせることを狙います。
これにより、ダウンロードを開始させたり、個人情報を開示させたりすることを目的としています。
これらのメールには、セールやお得な取引、または個人情報に関する偽の警告が記載されていることが多いです。 - ソーシャルエンジニアリング詐欺
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詐欺師は人間の心理、信頼、感情を利用して被害者を操作します。
この詐欺には、なりすまし、口実作り(プレテキスティング)、おとり(ベイティング)、追従侵入(テイルゲーティング)などの手法が含まれます。
その目的は、被害者から金銭を引き出すことです。
3. 分散型サービス拒否(DDoS)攻撃
DDoS(Distributed Denial-of-Service)攻撃は、オンラインサービス、Webサイト、またはネットワークを標的とし、大量のトラフィックを送り込むことで正常な機能を妨害します。
- 標的
- 攻撃対象には、HTTP接続を介してアクセス可能なウェブサイト、ネットワーク、サーバーが含まれます。
- 手法
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攻撃者はボットネット、IoTデバイス、または侵害されたコンピュータを利用してDDoS攻撃を実行します。
これらのコンピュータは、高い注目を集めるターゲットに対して攻撃を仕掛けるために利用されます。 - 最近の動向
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2023年には、前年と比較してDDoS攻撃が47%増加しました。
この増加は、攻撃の頻度と規模が拡大していることを示しています。
新たなサイバーセキュリティの脅威
1. IoTの脆弱性
モノのインターネット(IoT)は、日常のセンサーやソフトウェアデバイスをウェブ上で他のデバイスと接続し利便性を提供しますが、それに伴い潜在的なセキュリティとプライバシーの脅威も生じます。
- セキュリティの問題
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IoTデバイスはしばしば強力なセキュリティ機能を欠いており、サイバー攻撃に対して脆弱です。
特に、ファームウェアの更新が不足している場合、脆弱性が増し、スマートホームカメラや医療機器などが悪意ある目的で狙われる可能性があります。
これらのリスクは、旅行中のサイバーセキュリティのような文脈でも問題となり、不信頼なネットワークへの接続により機密データが危険にさらされることがあります。 - プライバシーの懸念
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IoTデータ収集デバイスは、個人のプライバシーを脅かす可能性のある機密情報を収集する場合があります。
不正アクセスが発生すれば、個人の安全や幸福に直接的な脅威を与える可能性があります。
2. 人工知能(AI)と機械学習(ML)の脅威
AIと機械学習(ML)は、サイバー防御において大きな可能性を秘めていますが、その一方で攻撃者がこれらを悪用するリスクも存在します。
- AI駆動の攻撃
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サイバー犯罪者はAIアルゴリズムを利用して、攻撃を検出しにくくしています。
特にディープフェイクを用いた手法により、ソーシャルエンジニアリングのリスクがさらに深刻化する可能性があります。
これにより、詐欺や不正行為がより精巧で説得力のあるものとなり、被害者が増える危険性があります。 - AIを活用した防御
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セキュリティ専門家は、脅威を検出し対応するためにAI/MLツールに依存しています。
これらのツールは、新しい攻撃から学習し適応する適応型メカニズムを備えており、攻撃に迅速かつ効果的に対応することが可能です。
3. サプライチェーン攻撃
サプライチェーン攻撃は、組織の供給業者、契約業者、またはパートナーを悪用して行われます。
- 改竄されたソフトウェア更新
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攻撃者は組織のソフトウェア供給チェーンに侵入し、悪意のある更新を配布することがあります。
これにより、利用者が知らない間にコンピュータが侵害され、さらなる混乱や損害を引き起こします。 - 第三者リスク
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組織は、第三者である供給業者やベンダーからのサイバーリスクに直面することがあります。
これには、データ漏洩や金銭的損失が含まれ、組織の評判に重大なダメージを与える可能性があります。
こうしたリスクを軽減するために、第三者管理ソリューションを活用し、ベンダーのセキュリティ対策を継続的に監視し、サイバーセキュリティ基準への準拠を確保することが有効です。
サイバーセキュリティの脆弱性の種類
サイバーセキュリティの脆弱性には様々な形態があり、組織のデータやシステムに異なる脅威をもたらします。
主なカテゴリは2つあります。
1つはソフトウェアやシステムに影響を与える技術的脆弱性、もう1つはユーザーの行動に起因する人為的脆弱性です。
サイバー攻撃者は、これらの脆弱性を侵入口として利用します。
これにより、効果的なサイバー攻撃を仕掛ける機会を得るのです。
1. ソフトウェアとシステムの脆弱性
- パッチ適用
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サイバー脅威が現れたら直ちに対応するため、欠陥が発見された際には迅速に修復することが重要です。
定期的なソフトウェア更新やセキュリティパッチの適用は、必要不可欠な防御策を提供します。
これを怠ると、攻撃に対して無防備な状態となります。 - ゼロデイ脆弱性
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ゼロデイ脆弱性とは、未発見または未公表の脆弱性を攻撃者が利用して侵入するものです。
セキュリティ研究者とソフトウェアベンダーが連携することで、こうした問題を発生時に特定し対処することが可能です。
2. ヒューマンエラーと内部脅威
ヒューマンエラーと内部脅威は、重大なサイバーセキュリティのリスクをもたらします。
- フィッシングとソーシャルエンジニアリング
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従業員はフィッシング攻撃やソーシャルエンジニアリング詐欺の被害者となる可能性があります。
トレーニングや啓発プログラムを実施することで、リスクの可能性を低減することができます。 - 内部脅威
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内部脅威は、組織内の従業員や契約社員から発生します。
内部脅威は長期間見過ごされることが多く、それが企業の運営を危険にさらす要因となります。
これらの攻撃にはデータ漏洩が含まれる場合があり、極端なケースでは意図的に会社の運営を損なう行為が含まれます。
結果として、データの盗難や企業の金銭的損失につながる可能性があります。
こうした人為的脆弱性は、例えばWindows向けVPNのようなソリューションによって軽減することが可能です。
VPNはインターネットトラフィックを暗号化し、特にリモートワーカーや公共Wi-Fiユーザーにとってデータを保護する効果があります。
結論
絶えず進化する脅威と脆弱性がデジタル環境を埋め尽くしています。
これにより、組織は常に警戒を怠らず、安全を確保する必要があります。
情報を常に更新し、安全対策に投資することが最も重要です。
さまざまなサイバーセキュリティの脅威を理解することで、デジタル資産を保護することができます。
積極的な姿勢こそが、未来に向けた唯一の道と言えるでしょう。