ワンクリック・サブスクリプション解除とは何か
メール配信停止をユーザのためにやりやすくする
2024年3月11日
著者: Yunes Tarada
翻訳: 竹洞 陽一郎
この記事はPowerDMARCのブログ記事 What Does One-Click Unsubscribe Mean? の翻訳です。
Spelldataは、PowerDMARCの日本代理店です。
この記事は、PowerDMARCの許可を得て、翻訳しています。
もし最近のトレンドを見逃していなければ、「ワンクリック・サブスクリプション解除」という言葉を至る所で聞いているかと思います。
GoogleやYahooがメール送信ガイドラインを更新して以来、ワンクリック・サブスクリプション解除が注目を集めています。
しかし、これは単にメール内に「解除」ボタンを置くだけの簡単なものではありません。
コンプライアンスを遵守するためには、リストメールヘッダーに対してRFC8058のワンクリック機能をサポートする必要があります。
それでは、これについてさらに詳しく理解していきましょう。
ワンクリック・サブスクリプション解除機能の説明
ワンクリック・サブスクリプション解除は、メールの下部に挿入されるリンクで、1回のクリックで簡単に購読解除ができる機能です。
リンクがクリックされると、自動的に受信者がメーリングリストから削除されます。
ワンクリック・サブスクリプション解除を有効にすることは、GoogleとYahooによって発表された新たなメール要件のひとつです。
この要件は、1日に5,000通以上のメールを送信する大量メッセージ送信者にのみ影響します。
このポリシーの施行は2024年6月1日から有効となります。
ワンクリック・サブスクリプション解除の主な6つの要件
Googleは、ワンクリック・サブスクリプション解除の遵守に必要な以下の要件を発表しています。
1. マーケティングおよびプロモーションメールでの購読解除の有効化
![マーケティングプロモーションメールの解除](./images/Enable-Unsubscription-for-Marketing-Promotional-Emails.webp)
Googleによると、ワンクリック・サブスクリプション解除オプションは、マーケティングおよびプロモーションメールにのみ必要です。
出荷や注文確認メール、アカウント作成メール、パスワードリセットなどのトランザクションメールには、この機能は不要です。
メールでワンクリック・サブスクリプション解除を有効にする際には、ユーザの意図を重視することが求められます。
これにより、どのメールにこの機能が必要で、どのメールに不要かを簡単に識別できます。
例えば、潜在的な顧客に製品をマーケティングするメッセージには、簡単に購読解除できるようにする必要があります。
一方、顧客が製品をオンラインで購入した場合、注文確認メールや領収書を受け取りたいと考えるため、これらのトランザクションメールには購読解除リンクは不要です。
2. メッセージ本文に購読解除リンクを含める
メールメッセージの本文には、購読解除リンクを必ず含める必要があります。フッターに配置することで、目に付きやすくなります。
リンクは隠されていたり読みにくかったりしてはならず、受信者が誤解しないように明確である必要があります。
3. 購読解除を簡単にする
![メールの解除を簡単にする](./images/Make-Sure-Unsubscription-is-Easy.png)
メールの購読解除は、ワンクリックで簡単にできるようにする必要があります。
受信者がメールの受信を止めるために苦労する状況は好ましくありません。
理想的には、購読解除リンクをクリックした際に即座に解除されるのが望ましいです。
ワンクリック購読解除リンクは、ユーザをランディングページやウェブページにリダイレクトせず、追加の情報やサインアップも不要にする必要があります。
4. ワンクリック購読解除リンクはRFC 8508に準拠すること
大量メッセージの送信者は、RFC 8508に準拠したワンクリック購読解除を有効にする必要があります。
これは、メールにList-Unsubscribeヘッダーを追加することで実現できます。
RFC 8508に準拠したList-Unsubscribeヘッダーを使用する利点は、メールアドレスやURLを使う場合とは異なり、購読解除が簡単であることです。
MailChimp、SendGrid、Constant Contactなどのメールサービスプロバイダーを使用している場合は、プロバイダーに連絡を取り、送信メッセージにこれらのヘッダーを追加するサポートを依頼しましょう。
5. 48時間以内に購読解除者を除外する
![48時間以内のメール解除](./images/Exclude-Unsubscribers-Within-48-Hours.png)
ワンクリック購読解除ボタンで誰かが購読解除した場合、速やかにその人をメーリングリストから除外する必要があります。
可能であれば48時間以内に除外し、購読解除を希望する受信者の意思を尊重することが推奨されます。
これは、Gmailの受信者に対するスパム削減への取り組みを示すことにもなります。
6. ワンクリック購読解除リンクが常に機能していること
購読解除リンクは常に機能している必要があります。
誤ってリンクが停止する事態が発生した場合、メッセージがスパムとしてマークされることはありませんが、メールの配信に問題が生じる可能性があります。
ワンクリック・サブスクリプション解除の要件概要
- 購読解除リンクは見つけやすく、明確にラベル表示されていること
- すべてのマーケティングおよびプロモーションメールで購読解除が有効であること
- 購読解除プロセスがワンクリックで完了すること
- ワンクリック・サブスクリプション解除がRFC 8508に準拠していること
- 購読解除の際に、ユーザに追加情報の提供を求めないこと
- 購読解除したユーザを速やかにメーリングリストから除外すること
ワンクリック・サブスクリプション解除がメールマーケティングに与える影響
ビジネスにおいてマーケティングメールに大きく依存している場合でも、必ずしも悪い知らせばかりではありません!
RFC 8058に従えば、特定のメーリングリストから購読解除したユーザのみを除外することが可能です。
つまり、受信者が複数のメーリングリストのうち1つから購読解除しても、そのドメインからの他のメールは引き続き受信できます。
また、メッセージ本文内に確認ページへのリンクを含む追加の購読解除リンクを設けることも可能です。
ただし、RFC 8505に準拠するためには、List-Unsubscribeヘッダーも使用する必要があります。
この追加リンクのみを使用するだけでは準拠しているとはみなされません。
Googleは、メール送信者が「mail-to」リンクやURLを使った購読解除リンクを引き続き使用できることを明示しています。
Googleはこれらのサポートを中止する予定はありません。
しかし、これらのリンクだけではスパムとしてマークされることはなくとも、Googleの要件を満たしているとは言えません。
ワンクリック購読解除要件を満たさない場合でも、Googleはメッセージをスパムとしてマークしませんが、購読解除を望む人にメールを送り続けると、いずれ受信者がスパムとしてフラグを立てる可能性があります。
複数の受信者からスパム指定されたりブロックリストに登録されたりすると、ドメインの評判に大きな影響を与えます。
この結果、メールのパフォーマンスや配信率が低下する可能性が高まります。
まとめ
ワンクリック・サブスクリプション解除に加えて、GoogleやYahooの他の要件にも準拠することが重要です。
これには、SPF、DKIM、DMARCといったメール認証の実装が含まれます。
これらを手動で設定することも可能ですが、推奨はされていません。
PowerDMARCは、GoogleとYahooのメール認証ガイドラインに準拠するための支援を行います。
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