なぜ小規模企業がメールの安全性を気にするべきなのか
小規模企業だからこそセキュリティに投資する
2024年3月9日
著者: Ahona Rudra
翻訳: 竹洞 陽一郎
この記事はPowerDMARCのブログ記事 Why Should Small Businesses Care About Email Safety? の翻訳です。
Spelldataは、PowerDMARCの日本代理店です。
この記事は、PowerDMARCの許可を得て、翻訳しています。
小規模企業にとって、メールの安全性はフィッシング、マルウェア、ランサムウェアといったサイバー脅威を回避するために極めて重要です。
これらの脅威は、データ漏洩や金銭的損失、企業の評判に対する損害を引き起こす可能性があります。
今日では、小規模企業は暗号化、スパムフィルター、従業員教育といったメールの安全対策を導入することで、自社や顧客の機密情報を保護できます。
メール安全性の重要性の解明:なぜ今こそビジネスが優先するべきか
メールのセキュリティはサイバー攻撃やデータ漏洩に対する第一の防御線です。
ビジネスオーナーであれば、守るべき重要な情報を抱えていることでしょう。
2022年第3四半期には、金融機関が世界のフィッシング攻撃の23%を占める標的となりました。
また、WebメールやWebベースのソフトウェアサービスも17%の攻撃対象となり、調査期間中に最も頻繁に狙われた業界の2つでした。
メール安全ソフトウェアは、特に小規模ビジネスやMVP(Minimum Viable Product)モデルから始める企業に役立ちます。
セキュリティを早期に導入することで、ビジネスの成長とともに重要なデータを保護することができます。
以下は、企業がメールの安全性に投資するべき理由です。
機密情報の保護
顧客情報や銀行口座番号、知的財産といった機密情報を守ることが重要です。
これを怠ると、ハッカーによる攻撃は時間の問題となります。
メールセキュリティソフトウェアは、不正なユーザから最も機密性の高いデータを安全に保護するのに役立ちます。
サイバー攻撃の防止
サイバー攻撃は増加傾向にあります。
そのため、可能な限り自社を守ることが重要です。
メール安全ソフトウェアは、フィッシング詐欺や他の不正手法からのデータアクセスを防ぐのに効果的です。
規制への準拠の確保
一般データ保護規則(GDPR)は、企業に顧客の個人データを保護することを求めており、データ漏洩が発覚した際には72時間以内に報告する義務もあります。
メールの安全性は、これらの要件を達成する手助けとなります。
メールのセキュリティツールにより、通信の追跡や監視が可能になります。
例えば、中央管理のプラットフォーム上でメール認証を追跡することで、セキュリティを強化できます。
企業の評判維持
メールはあらゆる企業における重要なコミュニケーション手段の一部です。
そのため、メールのセキュリティ確保は企業の評判を守る上で重要です。
ビジネスプランにおいてメールのセキュリティ対策が組み込まれていることは、企業の信頼性の低下を防ぐために有効です。
例えば、企業がフィッシングリンクが埋め込まれたメールを送信してしまうと、ブランドイメージが悪化し、顧客が信頼を失ってサービスを解約する可能性があります。
また、セキュリティや信頼性の実績があるカスタムソフトウェア開発会社やMVP企業と協力することが推奨されます。
法的責任および規制上の罰則を回避
メールアカウントには、顧客情報や従業員記録、ビジネスプランや財務データが含まれていることが多いです。
ハッカーによってメールが侵害されると、機密情報の漏洩による法的責任を負うリスクが生じます。
医療、金融、政府機関といった多くの業界には、機密データの不正アクセスや誤用を防ぐための厳格な規制が存在します。
メールの安全対策が不足している場合、これらの規制が満たされず、法的責任を負う可能性もあります。
特に医療コード業界では、堅固なメール安全対策を実装することで規制に準拠し、機密データを効果的に保護することが求められます。
法的責任および規制上の罰則からさらに自社を守るために:
- 会社を有限責任会社(LLC)として設立することも、リスク軽減の追加策として有効です。
- これは、リスク軽減への取り組みを示し、CAN-SPAM法などの米国の法規制要件に準拠する上で役立ちます。
例えばテキサス州のLLCにおいても、このような利点があります。 - また、LLCの設立費用は新しいビジネスにとって管理可能であり、場合によっては税控除の対象となる場合もあります。
知的財産およびその他の機密情報の保護
データ漏洩防止(DLP)ツールは、データ漏洩を防ぐためのツールで、クレジットカード番号や社会保障番号といった重要なキーワードを含むメールをスキャンします。
DLPはまた、トレードシークレットや製品発表計画を含むファイル添付も監視します。
これらの文書は、会社外部に共有されるべきではなく、関連する利害関係者の承認を得た上でのみ共有されるべきです。
小規模ビジネスを守るためのメール安全対策:サイバー脅威を回避するためのトップヒント
最も安全なメールソリューションは「使用しないこと」です。
しかし、メールの送受信を行うのであれば、セキュリティリスクを理解しておくことが重要です。
研究によると、メール以外のフィッシング手法も増加しています。
QRコードを使った「クイッシング」やSMSによる「スミッシング」、音声による「ビッシング」などもその一例です。
以下は、迷惑メールやフィッシング、その他の脅威から会社を守るためのメール安全対策です。
DMARCアライメントを有効にする
これはメール安全のベストプラクティスを導入するための基本的なステップです。
DMARCは、SPFやDKIM認証に失敗したメールに対する対応をISPに指示することで、なりすましを防止します。
「隔離」や「拒否」などのポリシーを選択することで、ドメインを適切に保護し、フィッシングやなりすまし攻撃に対する防御策とすることができます。
SPFおよびDKIMレコードを使用する
SPF(Sender Policy Framework)とDKIM(DomainKeys Identified Mail)は、ドメイン保護のために活用できる他のヘッダーです。
DMARCと組み合わせることで、より強固な認証が可能になります。
SPFは送信者の認証を行い、DKIMは暗号署名を使用してメッセージを検証します。
これにより、メールがチーム内の正当なメンバーまたは許可された第三者から送信されたことが確認されます。
高度な脅威防御(ATP)を導入する
ATPをまだ導入していない場合、ネットワークをマルウェアやウイルスから守るための必須要素と考えてください。
ATPは、受信メール、添付ファイル、URLを監視し、不審な活動の兆候を検出します。
さらに、悪意のある添付ファイルが社員の受信ボックスに届く前にブロックすることも可能です。
「サンドボックス化」と呼ばれる方法を用い、疑わしいファイルを仮想環境で分析してからネットワークに配信されます。
BIMIと認証ロゴでメールのセキュリティを強化する
BIMIは、企業のブランドロゴをメールの件名の横に表示する標準的な仕組みを提供します。
BIMIは技術に詳しくない人でも簡単に認識でき、メールの到達率も向上します。
BIMIを使用するには、DMARC認証の実装が前提となります。
企業ロゴのURLを含むBIMIレコードを作成し、ブランドイメージの保護に役立てましょう。
サンドボックスの使用
サンドボックスは、IT担当者が危険なメッセージを安全に分析できる環境です。
危険なメッセージを別の環境で隔離し、他のシステムやユーザに影響を与えることなく分析が可能です。
これにより、ITチームは悪意のあるメールを調査する時間を確保でき、社員を危険から守りつつ、正当なメッセージがブロックされるリスクも回避できます。
機密情報のメール暗号化を有効にする
暗号化は、転送中のデータだけでなく、保存された情報も保護するのに役立ちます。
メールの暗号化により、ハッカーなどの不正アクセス者から情報が守られます。
多くのメールプロバイダが無料でこのサービスを提供しているため、ぜひ利用してください。
MTA-STSで保護を強化する
MTA-STSは、メールセキュリティを強化する効果的な方法の一つで、中間者攻撃への防御策です。
このプロトコルにより、メッセージが暗号化された接続で転送されます。
メールの転送と自動転送を制限する
メールサーバ上で不要な転送オプションを削除することで、会社のアカウントにアクセスできるのが権限のある社員のみとなります。
もしメール転送を許可する場合、ファイアウォールやセキュリティソフトウェアを設定して、ポート25や110を経由した不正なアクセスを防止します。
自動化の活用
安全性が検証されたビジネスプロセスを導入することで、小規模ビジネスをサイバーセキュリティの脅威から守ることができます。
マーケティング自動化ツールなどを使用して、人的エラーのリスクを減らし、プロセスを効率化かつ安全にすることが可能です。
自動化システムは不審な活動を検知し、潜在的なセキュリティ脅威を警告してくれます。
最後に:メール安全対策でビジネスの防御を強化する
今日、メールは職場での重要なコミュニケーション手段ですが、同時に大きなセキュリティリスクを伴います。
そのため、小規模ビジネスにとってメールセキュリティは最優先事項となります。
小規模企業は、DMARCやSPF、DKIM認証、エンドツーエンドの暗号化、高度な脅威防御などのメールセキュリティ対策を導入することで、機密情報の保護、サイバー攻撃の防止、規制遵守を実現できます。
従業員教育、強力なパスワードポリシー、定期的なセキュリティ監査も重要です。
これらの対策は、メールセキュリティを強化し、データ漏洩や財務損失のリスクを軽減します。
メールセキュリティに投資することで、小規模企業は業務の安全を守り、評判や利益を保護し、絶えず進化する脅威環境に先んじることができます。