TLS暗号化とは何か、その仕組みとは?
暗号化通信経路を確保
2024年1月5日
著者: Ahona Rudra
翻訳: 高峯 涼夏
この記事はPowerDMARCのブログ記事 What Is TLS Encryption, and How Does It Work? の翻訳です。
Spelldataは、PowerDMARCの日本代理店です。
この記事は、PowerDMARCの許可を得て、翻訳しています。
安全な接続は、今やオンラインビジネスに必須です。
HTTP SecureまたはTLSプロトコルは、暗号化とセキュリティを何よりも優先するWebブラウジングの純粋主義者(訳注:特定の分野においてその原理や伝統を厳格に守る人々)たちによって採用された最新の方法です。
そして、たとえWeb上での個人情報の保護にそれほど関心がなくても、いずれはこのプロトコルを使用しているサイトに遭遇することになるでしょう。
ですので、TLS暗号化とは何か、標準的なTLS暗号化がどのように機能するかを知っておくと役立ちます。
TLS暗号化とは?
TLSとは、Transport Layer Securityの略で、2つの通信アプリケーション(例えば、Webサーバなど)間で認証と暗号化サービスを提供するインターネットセキュリティプロトコルです。
TLS暗号化は、SSL証明書を使用してセキュリティを確保したHTTPS接続で使用されます。
SSL証明書は、パスワードやクレジットカード番号などの機密情報を保護するために、インターネット上で転送されるデータを暗号化します。
したがって、HTTPS接続は、Webをブラウジングしたり、友人や家族にメールを送信する際に、誰にもインターネットトラフィックを盗み見られないことを保証します。
TLSはSSL 3.0と直接相互運用できるわけではありませんが、アプリケーションに依存しないプロトコルとして1999年のRFC 2246で初めて記述され、必要に応じて代替手段が提供されました。
対照的に、TLS 1.2は、2015年6月以降RFC 7568によって非推奨となったSSL 3.0の代わりに使用することが推奨されています。
TLS 1.3は、リリースされた時点で、より安全性の低いアルゴリズムのサポートを停止する予定です(2015年12月時点)。
TLSは、盗聴攻撃からのセキュリティを提供するだけではなく、公衆インターネットのような安全でないチャネル上でも、通信する両者間のデータ転送の完全性を保証します。
これは、実際にデータの転送が行われる前に、サーバ(または通信相手)の真正性を検証することによって実現されます。
TLS暗号化はどのように機能するか?
オンラインで情報を送信する際には、3つの重大なセキュリティ問題に直面します。
- 通信している相手の身元を確認できるか?
- 通信相手から受け取ったデータが改竄されたものでないとどうやって断言できるか?
- 不正なユーザによるデータへのアクセスや閲覧をどう防ぐか?
これらの問題は、特に機密情報や、重要な情報を送信する場合に考慮が必要です。
TLS暗号化はこれら3つの問題を解決するために、さまざまな暗号化手法を採用しています。
これらを組み合わせることで、プロトコルは接続の際に相手の身元を確認し、データの正確性を検証し、暗号化を提供することを可能にします。
簡単に説明するために、国外の友人と通信しようとしている場合を想像してみましょう。
もしその情報が機密性の高いものであれば、上記の3つの主な問題は大きな懸念を引き起こします。
特に攻撃者があなたの通信に焦点を当てると考えられる場合、ただ手紙を送ってうまくいくよう願うようなやり方では不十分です。
代わりに、受信者の正当性を確認できるシステム、メッセージが改竄されていないかを判断するメカニズム、そしてそれらを盗聴者から保護する方法が必要になります。
TLSはこれらの目的を達成するためにさまざまな技術を使用します。
このプロセスはTLSのハンドシェイクから始まり、その間に鍵が生成されて認証が行われます。
先ほどの手紙の例えになぞらえると、TLSの認証機能は、身分証明書の提出が必要な宅配便を使って郵便物を送ることに似ています。
この場合、宅配業者が手紙を届ける際に、受取人の身分とその人の顔と照合することで、受取人の身元を確認することになります。
鍵の確立フェーズは、あなたが手紙の中にPINの一部分を書き、その後の通信でも利用しようと考えている場合に似ています。
返信の手紙で、あなたは受信者にその数字(PIN)の残りの半分を計算して送るよう依頼します。
宅配業者が(上記によって)PINを確立し、送信者の身元を確認すると、情報を安全に届けるために必要なものはすべて揃います。
TLSを使用してアプリケーションプロトコルと交換された情報は安全である
この例に従えば、TLSを通じて安全にデータを送信することは、手紙を書いて封をすることに似ています。
受信者が手紙が改竄されたかどうかを検知できるように、封をする部分に自身の署名をします。
そして、その手紙は、あなたと受取人が共に選んだ暗証番号を組み合わせたダイヤル錠付きの小さな金属容器の中に入れられます。
それらを、荷物を配達する前に身元を確認してくれる宅配業者を通して送ります。
受信者が返信した後の全てのやりとりも同様に行われます。
TLSは私たちの3つの問題に対してほぼ同一の解決策を提供する
宅配業者の役割は、受取人の身元を確認し、荷物が正しい人に届けられるよう保証することです。
鍵付きの箱は暗号化の一種として機能し、恋人以外の全ての人の手から手紙を守ります。
メッセージが改竄されているかどうかは、封筒の署名を見ることで判断できます。
TLSとSSLの比較
セキュリティに関して、SSLとTLSは長らくインターネット暗号化のゴールドスタンダード(訳注:最も標準的だと広く認められた手法)とされてきました。
どちらも2台のコンピュータ間で送信されるデータを暗号化するために使用されますが、両者の間にはいくつかの重要な違いがあります。
SSLとTLSの比較:どちらを使用すべきか?
最も重要な違いを簡単に説明します。
TLSはSSL/TLSよりも安全です。
クレジットカードの番号や医療記録などの機密情報を盗聴者から守りたい場合は、TLSが適しています。
TLSはECDHE(Elliptic Curve Diffie-Hellman)と呼ばれる新しい暗号化プロトコルを使用しているため、SSLよりも高い保護を提供します。
これは、データを暗号化するために使用される鍵がブルートフォース攻撃に対してより安全であり、ハッカーによる解読が困難であることを意味します。
TLSはSSL/TLSよりも性能が良く、場合によっては最大40%向上します!
これは、サーバへの負荷が軽減され、ページの読み込み待ち時間が短縮されることを意味します。
また、接続が高速になることで、オンラインで情報を送受信する際の遅延時間も少なくなります。
関連記事:SSLとTLSの違いとは?
最後に
TLSプロトコルは、安全なWeb暗号化のためのゴールドスタンダードとして採用されており、宇宙のどこかで無限の力を持つコンピュータが発見されることがない限り、ほぼ破られないシステムを作り出しています。
その間、私たちのブラウザやアプリにTLSがインストールされていれば、何も心配することはありません。
このプロトコルがあれば、私たちは安心してインターネットを利用することができます。
PowerDMARCの無料のTLS-RPTレコードチェッカーを利用して、TLS-RPTレコードの設定を確認し、レコードを検証しましょう。
私たちのTLS-RPTレコードチェッカーは即座に正確な結果を提供し、TLS-RPTレコードに誤りがあるかどうかをすぐに知らせてくれます。